ストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」をフランチャイズ展開している「株式会社つながり」が、求人広告に掲載した文章で炎上をしております。
そして、都築祥子さんというDr.ストレッチの執行役員と店長を務める人物が、なりすましによる犯行を示唆し、さらに波紋が広がる形に。
今回は、都築祥子さんの炎上の経緯や、なりすまし犯人の詳細、内部犯の犯行の可能性、IP改ざんなどが可能なのかどうかについて、迫ってみたいと思います。
「Dr.ストレッチ」の求人広告が炎上
エン・ジャパン株式会社が展開する求人情報サイト「engage」に、「Dr.ストレッチ」のフランチャイズ加盟店を運営している「株式会社つながり」の執行役員で店長の、都築祥子さんのインタビュー記事が掲載されました。
出典:engage
仕事舐めてる若者が多すぎます。
土日休みがいいとか意味がわかりません。
サービス業で土日休みたいとか世間を舐めてますね。有給に関してもそう。
有給消化なんて周りのこと考えたら使えないはずです。
稼いでから言えって話。残業したくないとか勉強不足。
残業代なんて出すわけがありません。
自分が成長したり稼ぐ為に必要なのに
その努力すら怠るなんて世間を舐めてるとしか思えません。そういう舐めてる人は叩き直します。
いや叩き潰します。新型コロナだって体調管理ができてない証拠。
あんなもの気持ちいれて働いてたらかからない。
当たり前のことができない人は必要ありません。仕事を本気でやるならわかるけど、
舐めてる人はいりません。出典:engage
非常に熱いメッセージでありますし、熱量は感じるのですが、時代錯誤というか、感染拡大が心配される新型コロナまでを引き合いに出しての文章であるだけに、ネット上では瞬く間に炎上する騒ぎに。
スポーツジムで感染者がでてるのも体調管理がわるいのですか?
コロナの感染リスク知ってたらあんなこと書けませんよ?
死人でたりしてるニュース見てないんですか?
よくそんな頭で代表してますね??— くーるぜろ (@zephel01) 2020年3月9日
マジかよ
Dr.ストレッチってたまに町中でみるけどこんな超絶ブラック企業だったのか
体調管理ができてれば新型コロナにもかからないとか脳が筋肉でできてるんやろなあ pic.twitter.com/8xqq1rNFCP— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2020年3月10日
都築祥子が「なりすまし」であると主張
「仕事舐めてる奴は、叩き潰す」、「新型コロナだって体調管理ができてない証拠」などと過激な発言をし、そのインタビュー記事が掲載されていた張本人の、都築祥子さん。
しかしながら、都築祥子さんは自身のTwitterにて、以下のように弁明をしております。
私に成りすまして悪質な投稿により、お騒がせしてしまい大変申し訳ありません。
事実究明に努めてまいります。 https://t.co/dFARRnPhzs— 都築祥子(株)つながり (@YmR3uYyRQ3RMCTT) 2020年3月9日
つまり、都築祥子さんが言うには、あの衝撃的なインタビュー記事は「なりすまし」による犯行で、自分は一切関与していないということなのです。
都築祥子について
都築祥子さんのプロフィールは以下のようになっております。
名前:都築 祥子
所属会社:株式会社つながり
経歴:Dr.ストレッチ(加盟店)幡ヶ谷店長 →三軒茶屋店長→執行役員&グランドトレーナー
都築祥子さんは、Dr.ストレッチをフランチャイズ展開している「株式会社つながり」の執行役員の女性で、19歳でブラジル文化のカポエィラを始め、ブラジルへ渡って本場でカポエィラを学んでいたそうです。
27歳でフリーターからの転身を覚悟し、現在では幹部の95%が女性という「株式会社つながり」で、執行役員として働いているそうです。
「Dr.ストレッチ」の大元「株式会社フュービック」の社長も、なりすましを強調
そんな中、「Dr.ストレッチ」の大元「株式会社フュービック」の黒川将大社長も、なりすましであることを強調しております。
先程Twitter上でリツイートされている弊社運営のドクターストレッチフランチャイズ加盟店の執行役員であるかのように投稿した記事について本人投稿ではない事が確認取れています。本人になりすました悪質な投稿です
明日弁護士通じて法的に追跡して対応していきます。お騒がせして申し訳ありません。— 黒川 将大 フュービック 社長 (@kurofubic) 2020年3月9日
弊社フランチャイズ加盟店の求人のエンゲージサイトがなりすましにより書き換えられた件ですが、ID管理に問題があった可能性があります。明日フランチャイズ加盟店側のエンゲージサイトのID管理にかんする調査をいたします。お騒がせいたしました。
— 黒川 将大 フュービック 社長 (@kurofubic) 2020年3月9日
また、「株式会社フュービック」は、以下のように文書でも抗議をしております。
求人ページの該当記事は第三者により令和2年3月9日22時頃に悪質な改ざんが行われて おり、事実無根の内容が明記されていたことが確認されました。
出典:フュービック
こうした講義があったため、前述の「仕事舐めてる奴は、叩き潰す」、「新型コロナだって体調管理ができてない証拠」の記事はなりすましによる犯行であった可能性が出てきたのです。
エン・ジャパンが「なりすましによる犯行」を否定
真っ向から抗議をしている、都築祥子さんとDr.ストレッチ大元の会社社長でありますが、問題の記事を掲載していた「engage」を運営するエン・ジャパンは、「なりすましによる犯行」を否定しております。
出典:エン・ジャパン
求人情報やインタビュー記事を掲載していたウェブページと、そのインタビュー記事を作成した人物の意見がこのように真っ向から対立しているのです。
都築祥子さんとDr.ストレッチ大元の会社社長は、不正アクセスによるIP改ざんなどによって、なりすましが行われたと主張。
一方で、媒体のエン・ジャパン側は、不正アクセスや情報漏洩などはなかったと主張。
一体どちらが正しいのでしょうか?
都築祥子が主張する「なりすまし」や不正アクセスは本当に可能なのか?
まず、都築祥子さんが主張している「なりすまし」や不正アクセスは本当に可能なのでしょうか?
本当に「なりすまし」や不正アクセスがされていたのであれあ、不正アクセスされた記録の公表、不正アクセスした人物に対する被害届、不正アクセスの特定の過程の報告、書き換えられる前のホームページや文書を公表するなどしなければ、何も信ぴょう性はありません。
送信者のIPアドレスを詐称して別のIPアドレスになりすます行為を、「IPアドレススプーフィング」というのですが、都築祥子が主張する不正アクセスとは、このことを指すのでしょうか?
日本には、2014年に制定された「サイバーセキュリティ基本法」という法律があります。
こうした不正アクセスや「なりすまし」などによる行為を取り締まる法律であり、ネットワークセキュリティを定める法律であると言えます。
もし仮に、第三者による「なりすまし」や不正アクセスが、都築祥子さんの主張通りに行われていたのであれば、その犯人はサイバーセキュリティ基本法に触れますので、逮捕されて然るべきであります。
ですが、現状では、エン・ジャパン側も否定をしておりますし、IPアドレスを改ざんして不正にアクセスするという行為は不可能であるでしょう。
ちなみに、この記事はキャッシュされていることが確認できるのが、3月6日時点であります。
つまり、3月6日時点では掲載されていたわけですが、表沙汰となる3月9日まで、 Dr.ストレッチの人々や、都築祥子さんなどは一切誰も「なりすまし」に気がつかなったのでしょうか?
都築祥子が主張する「なりすまし」には無理がある
だいぶ時代錯誤な文章やインタビュー記事を、掲載に踏み切ったエン・ジャパンの「engage」にも多少なりとも問題があるかと思いますが、それ以上に都築祥子さんや「株式会社つながり」にも問題があるかと思います。
しかし、3月6日時点で掲載していて何も炎上していなかったにも関わらず、3月9日にTwitterなどで取り上げられて炎上するやいなや「なりすましです」と言い訳をするのには、無理があります。
これが事実であれば3日間にも渡って、自社のインタビュー記事の内容などを見ていない、ということになりますよね?
それは考えられません。
そして、そんなに簡単に違法なものに書き換えられる理由とは、何なのでしょうか?
社員の方が勝手に書きかえたのなら、社内のガバナンスが効いていないという、非常に問題のある企業ということになると思いまし、アカウントが乗っ取られたというなら、アカウント管理すらできないいい加減な企業であることを露呈する結果になります。
また、記事の内容が勝手に書き換えられたという話でありますが、それをするのはまず不可能です。
それをするために、エン・ジャパンが管理しているデータベースに不正にアクセスをして、その中にある特定の記事だけを改ざんするという行為を行わなければなりません。
データベースにアクセスして改竄する行為は、技術的にかなり高度なハッキング能力が必要ですし、都築祥子さんや「株式会社つながり」の記事だけを攻撃するメリットもほぼ感じられません。
それだけの技術があるハッカーによる不正アクセスが事実なのであれば、これはよっぽどの第事件であると言えるでしょう。
もっとも、気持ち入れてID管理してたら「なりすまし」はされないと思いますが。
炎上事件についてはこちらから
コメント
法務経験者です。楽しく記事読ませていただきました。
本日元従業員の犯行というプレスリリースが出ており、「現在のところ、当社から、この元従業員への法的措置等は執ることは控えるつもりです。」と言ってますが、これは民事に限る話です。(トラブルや名誉棄損の損害賠償)もし書かれている事件が事実なら、警察に被害届を出した以上、警察はこの元従業員の刑事責任を調査する必要が発生します。企業側で判断できることではありません。元従業員がパスワードを用いて、都築祥子氏を騙りでっち上げ記事を書いたのが事実とすれば、警察・検察が事実を調べて、どういつ罪に該当するのか判断します(不正アクセス禁止法に触れる行為、XX罪、など)。ですので警察がどう動くか、刑事責任がどのように判断されるのかはプレスリリースと別にウォッチする必要があります。
一方この企業は声高々に改ざんされたと叫んだくせに内部犯行だと言ってみたり、被害者であるはずの都築祥子氏がツイッターを削除したり(ツイッターにはひどい求人広告と同様のことを記載していたと聞きます)、ということから私は少々怪しく思っております。万一話がでっち上げで警察に通報したなら、社長から役員までが共謀して事件をでっち上げ、警察を動かしたことになるため、大変な問題に発展します。並みのコンプライアンス事件と規模が違います。
ですのでこの事件は継続してウォッチしていただきたいです。失礼しました。