出典:高知新聞
高知県奈半利(なはり)町でふるさと納税を担当する職員・柏木雄太容疑者と、松村通成容疑者が、親族名義の口座を介して返礼品を扱う水産加工会社から数100万円を受け取っていた疑いで逮捕されました。
今回は、柏木雄太容疑者の顔画像や犯行動機、さらには、日常茶飯事でやっていた可能性などについても迫ってみたいと思います。
事件概要
共同通信他、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
高知県奈半利町でふるさと納税を担当する課長が、息子名義の口座を介して返礼品を扱う水産加工会社から百数十万円を受け取っていた疑いがあることが3日、捜査関係者への取材で分かった。県警は同日、息子の住民票を自宅がある奈半利町から町外に不正に移したとして、町地方創生課長森岡克博容疑者(45)ら3人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕した。
ほかに逮捕されたのは同課長補佐、柏木雄太(41)、返礼品を扱う水産加工会社社長松村通成(30)の両容疑者。
県警は3日朝から3人の自宅や松村容疑者の会社の加工場などを家宅捜索した。県警によると、2008年度に始まったふるさと納税制度を巡る不正が刑事事件となるのは初めて。
奈半利町の人口は3千人ほどだが、17年度にはふるさと納税で全国9位となる約39億円の寄付金を集め話題となった。県警には町と業者の癒着を指摘する情報が複数寄せられていた。松村容疑者は任意の聴取に金銭を振り込んだことを認めており、贈収賄容疑での立件も視野に趣旨を調べる。
捜査関係者によると、3人の逮捕容疑は共謀して18年11月16日ごろ、息子の住民票を同県安芸市にある松村容疑者の関係先に移した疑い。住民票を町外に移し、町の税務調査で金銭の流れが発覚しないようにした可能性があるという。
森岡容疑者は当時、ふるさと納税と関係がない部署にいたが、既に担当だった柏木容疑者の取り持ちで松村容疑者の会社に息子を雇ってもらってもいた。町によると、返礼品の大部分をこの会社が受け持っていた時期もあった。
同町は08年度からふるさと納税に参加し、15年度に10億円を突破。17年度にピークを迎えたが、総務省が昨年、返礼品規制を盛り込んだ新制度を開始したため19年度は約4億円に落ち込んだ。
出典:共同通信
柏木雄太容疑者について
こちらが、逮捕された柏木雄太容疑者のプロフィールです。
名前:柏木 雄太(かしわぎ・ゆうた)
年齢:41歳
職業:課長補佐
所属:高知県奈半利町地域振興課
在住:高知県奈半利町
柏木雄太容疑者は、一緒に逮捕された森岡克博容疑者が虚偽の住民異動届を市役所に出した際、その提出を了承・教示して、森岡容疑者の犯行をほう助した疑いで逮捕された人物です。
柏木雄太容疑者の顔画像が判明!
では、柏木雄太容疑者の顔画像などは公開されているのでしょうか?
報道機関の発表によれば、柏木雄太容疑者の顔画像が以下のように公開されておりました。
また、高知県奈半利町のふるさと納税のサイトには、以下のように柏木雄太容疑者の顔画像が公開されておりました。
出典:ふるさとstory
柏木雄太容疑者の犯行動機は何?
では、柏木雄太容疑者の犯行動機は何だったのでしょうか?
ふるさと納税の返礼品を扱っている水産加工会社から、金銭を受け取ったということです。
柏木雄太容疑者は、この水産加工会社に、一緒に逮捕された森岡容疑者の息子さんを働かせてくれるように懇願します。
そして、雇った水産加工会社は息子さんの給与口座を準備しますが、その給料の振り込み先とは別の、息子さん名義のネット銀行の口座に報酬名目で約170万円を入金しておりそれを着服しております。
息子の住民票などは、住民税が加算されるなどを恐れて、期限ギリギリで別の場所に移すなど、税務調査から逃れる施策を先手として打っております。
用意周到に仕組まれた、資金流出であるだけに、その動機は単に楽してお金を稼ぎたかったのだと思います。
こうしたことをする知識や知恵があるのであれば、もっと別の形で還元してもらいたかったものです。
柏木雄太容疑者の勤務していた高知県奈半利町は、ふるさと納税の先駆け的存在
現在では、ふるさと納税は一般的になっておりますが、その火付け役というか先駆けとなったのが、柏木雄太容疑者が勤務していた高知県奈半利町であります。
高知県奈半利町は、以前からふるさと納税に力を入れている自治体だ。米や野菜、カツオや金目鯛など特産品が数多くあり、いずれも人気だというが、世に広める取り組みは最近始めたばかりというわけではないという。
「もともと平成19年から町を盛り上げようと、いろんな国の事業を活用して商品開発や雇用の創出をしていたのですが、なかなか結果が出なかったんです。そこで平成20年にふるさと納税が始まった当初から、多くの特産品を返礼品にして全国にPRしようと、かなり力を入れていました」
こう語るのが、奈半利町地域振興課の柏木雄太さん。もちろん鶏肉は当初から用意していたという。しかし、当時、制度の知名度はほとんどなく、協力してくれる事業者を探すことにも苦労したそう。
出典:ふるさとstory
当初から、積極的に地域振興に貢献をしていた柏木容疑者は、協力してくれる事業者などを積極的に探し、結果的に平成29年度には、ふるさと納税で全国9位となるおよそ、約39億円の寄付金を集めるなどの実績を残しております。
これは、人口およそ3,300人の小さな町である奈半利町からしたら、快挙であると言えます。
Twitter上の反応
この事件に関して、Twitter上では様々な意見が飛び交っておりますので、ご紹介します。
ふるさと納税ってシステムに欠陥があるんじゃないか
— 種田オイタ (@seedold) 2020年3月3日
役人による典型的な癒着とワイロ!
— HIROYUKI OTA (@EWR1cCqJv6mVjs1) 2020年3月3日
ふるさと納税はタダの通販サイトのように見える
これが必要なのか疑問に思う
ありがちな構造— しまりん (@bIc7knauwUvWsWM) 2020年3月3日
公務員の犯罪を目にしない月が無い勢いなんだが….
— apatchsan (@apatchsan) 2020年3月2日
いや、ふるさと納税はそういう仕組だから。
税収を一部の業者に利益誘導する仕組だから。
起きて当然。氷山の一角。最初から指摘している。
— あるとよだ (@unagi_neco) 2020年3月3日
まとめ
ふるさと納税での、贈収賄疑惑についてまとめてきました。
今回は、全国9位にもなった自治体の職員による、巧妙なトリックでの犯罪であるだけに、寄付をした全国の人々や、そこに住んでいる自治体の人々にとっては、ショッキングな出来事であるでしょう。
ふるさと納税のシステムの欠陥を指摘するコメントも多く寄せられておりますが、そうしたことを改善するのも自治体でありますので、役人の都合の良い方にばかり進んでいくような気もします。
人々が納めた税金の流れが不透明であればあるほど、フラストレーションはたまりますし、寄付金が集まらなくなってしまいますので、今後は明朗な会計や運用をしてもらいたいものです。
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