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埼玉県三郷市の警備会社から現金3億6000万円を盗んだとして元社員が窃盗容疑で指名手配されている事件で、警察は新たに防犯カメラに映し出された伊東拓輝容疑者の映像を公開しました。
今回は、伊東拓輝容疑者の現在の居場所や潜伏先、さらには行方不明の間の足取りなどについて迫ってみたいと思います。
伊東拓輝の防犯カメラの映像を公開
産経ニュースほか、メディア各局が以下の様なニュースを報じ、話題となっています。
埼玉県三郷市の警備会社で4日に現金3億6千万円が盗まれた事件で、県警は26日、窃盗容疑で全国に指名手配した元社員の無職、伊東拓輝容疑者(28)が、現金を入れたとみられる段ボール4箱を警備会社から発送し、東京都内の私書箱で受け取っていたと明らかにした。その後、スーツケースなどに移し替えて持ち運んだとみて、足取りを追っている。
県警によると、社内のカメラには、4日に出勤した伊東容疑者が金庫室の現金を段ボール箱に詰めて持ち出す姿が写っていた。その後の経緯を調べたところ、会社から段ボール4箱が東京都渋谷区にある伊東容疑者名義の私書箱宛てに送られていたことが分かった。
伊東容疑者とみられる人物が5日正午すぎ、私書箱で箱を受け取り、タクシーに乗って立ち去った。同日午後1時ごろ、東京都中央区のホテルにチェックインし、2時間半後にチェックアウト。部屋に空の箱が残され、ホテルのカメラにリュックサックとスーツケースを運ぶ姿が写っていた。 県警は、伊東容疑者が事前に綿密な計画を立てていたとみている。
出典:産経ニュース
伊東拓輝について
こちらが、全国に指名手配されている伊東拓輝容疑者のプロフィールです。
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名前:伊東拓輝(いとう ひろき)
年齢:28歳
職業:元警備会社社員
在住:住所不定
伊東拓輝容疑は、4日午前、は今月4日、勤務していた「アサヒセキュリティ」(東京)の新三郷オフィスで、金庫室に保管していた現金3億6000万円を盗んだ疑いで全国に指名手配されている人物です。
伊東拓輝が映し出された防犯カメラの映像が公開される
埼玉県警が26日、伊東拓輝容疑者が都内でスーツケースを押している様子を映し出した防犯カメラの映像を公開しておりました。
その映像がこちらであります。
出典:FNN
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こちらの映像を確認すると分かるかと思うのですが、大きなキャリケースを2つ押しており、その背中には大きなリュックサックを背負っていることも明らかとなっております。
こちらが撮影されたのは東京都中央区のホテルであるということで、現金を段ボール箱に入れて自宅に発送したのち、スーツケースに入れ替えてこの様に持ち運びながら逃走や潜伏を続けていたのではないかと考えられます。
伊東拓輝の犯行当時の足取りについて
では、伊東拓輝容疑者の犯行当時の足取りは一体どの様なものだったのでしょうか?
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伊東拓輝容疑者が犯行に及んだのは2019年9月4日(水)であり、この日は金庫に侵入してお金をつめた後、勤務を終えてそのまま退勤したそうですが、手ぶらで退勤したと言います。
伊東容疑者は翌日の2019年9月5日(木)も勤務予定だったと言いますが、同僚に「今日は休む」というメッセージでLINE送り、欠勤をしておりますが、この日のうちに東京都内のホテルでスーツケース2つとリュックを運ぶ姿が防犯カメラに収められていたことから、5日には既に3億6千万を盗み出していたことになります。
さらに、伊東拓輝容疑者は翌日の2019年9月6日(金)も勤務予定だったのですが、無断で欠勤を認め、不審に思った会社が金庫の防犯カメラを確認したのです。
そこで、4日の時点で伊東容疑者が金庫室で現金を段ボールに入れる姿が映っていたため、会社は警察に通報し、事件が明るみに出ます。
その後、会社の従業員や捜査関係者が伊東容疑者の自宅を訪れましたがもぬけの殻であったそうで、家財道具などを置いたまま行方をくらましたのです。
つまり、防犯カメラに写っていた時点では警察に通報されておらず、その翌日に通報されてしまったため、足取りが掴めなくなったというのです。
この5日と6日のタイムラグがなければ迅速に逮捕できていたのかもしれません。
伊東拓輝の現在の居場所は西日本に潜伏か
では、伊東拓輝容疑者の現在の居場所や潜伏先は一体どこなのでしょうか?
報道機関の発表によれば、伊東容疑者は都内に逃走したとされております。
伊東容疑者は、JR山手線を何回も乗り継ぎながら都内に逃走していたとみられ、警察は行方を追っている。
出典:FNN
しかしながら、犯罪心理学や行動心理学に詳しい専門家の出口保行さんの話によれば、逃亡犯というは東からどんどん西へと移動をしていくのだそうです。
なぜ逃亡犯は西に向かうのか。少年鑑別所や刑務所等で約1万人の犯罪者を心理分析した犯罪心理学専門家の東京未来大学教授・出口保行氏(60)は「西には大阪を起点に広島、福岡がある。足を延ばせば名古屋、北陸にも逃げられる。逃亡犯にとって選択肢がたくさんあって動きやすい」と分析。逆に「東京は西に逃げられるが、東は仙台しかない。東京は袋小路」と指摘した。西日本の地理的特徴が、逃亡犯にとって好都合だという。
出典:スポーツ報知
これは理にかなっているといえば、理にかなっている気がします。
2015年10月1日時点でのデータでありますが、人口が100万を超える大都市は以下の様になっております。
東京:927.3万人(東日本)
横浜:372.5万人(東日本)
大阪:269.1万人(西日本)
名古屋:229.6万人(西日本)
札幌:195.2万人(東日本)
福岡:153.9万人(西日本)
神戸:153.7万人(西日本)
川崎:147.5万人(東日本)
京都:147.5万人(西日本)
さいたま:126.4万人(東日本)
広島:119.4万人(西日本)
仙台:108.2万人(東日本)
数で言えば、6対6で同数でありますが、西日本に逃亡するメリットとしては西日本に在住する人間の多くの特徴として「フランクで詮索しない」というものが挙げられます。
東は武士の文化で、西は商人の文化であり、東よりも西はフランクでありますし、その土地の人間に溶け込むのに必要な目安として挙げられるのが「東京は3代、大阪は1代」という言葉もあるくらい西日本の人間はフランクでありますので、そうした県民性や温かい人柄なども逃亡者にとっては好都合であるのです。
また、東京を出ると名古屋→大阪→神戸→広島→福岡と等間隔ごとに100万都市がある西日本に対し、東日本は東京近郊にさいたま市や川崎市、横浜市が密集しているほか、それより北となれば仙台、札幌となり、札幌は陸続きではないために逃亡には不向きであります。
人の多い大都市ともなれば、人混みに紛れることができるため、必然的に匿名性は高くなりますし、隠れやすくもなります。
逆に、人や情報、隠れる場所がない田舎や地方都市に行くというのは逃亡犯にとって自殺行為であり、過疎地であればあるほどよそ者というのは目立ちますし、匿名性が低くなるのも明白であります。
以上の行動心理学などの理由から、伊東容疑者は東京都内ではなく、東京から見て西の西日本の大都市に潜伏しているのではないかと推測されます。
伊東拓輝は盗んだ3億6千万の今後や使い道は?
伊東拓輝容疑者は3億6千万円という大金を盗み出しておりますし、1億円の重さはおよそ10kgと言われておりますので、単純計算で3億6千万円は36kgにもなることから、これを1人で持ち運びながら逃走するのは基本的に不可能であると思われます。
そうなれば、使用をするかこの現金をどこかに預けるということになるでしょう。
3億6千万もの大金を一度に預金することはまず不可能でありますので、何回かに分ける必要があります。
各金融機関によって異なりますが、ゆうちょ銀行の場合は通常貯金・通常貯蓄貯金・定額貯金各種・定期貯金各種における一度に預金できる金額の限度額は1,300万円であると定められておりますので、これを考えると最低でも27回以上は預金を繰り返さなければなりません。
この様に預金を繰り返していると流石に銀行員に怪しまれるため、別の銀行にそれぞれ口座を持って何回も預金しに行くという気の遠くなる様な作業をしなければなりません。
また、ATMでの預金も可能でありますが、これであれば限度額が100万円であるところがほとんでありますので、300回近くやらなければ全てを口座に入れることは不可能であります。
これほどのスーツケースを持った人間がなんどもコンビニや街のATMで預金を繰り返していたら完全に怪しまれますし、防犯カメラの映像にもバッチリ映りますので、行動範囲が特定されると思います。
すなわち、潜伏先にスーツケースを置いたまま、身軽な格好で街を転々とするか、その都度宅配業者に送らせるなどの方法をとるしかないでしょう。
何れにしても、令和に発生した3億円事件であるだけに、一層の波紋が広がりそうな一件です。
伊東拓輝の事件以外にも日本で発生した大金強奪の事件


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