出典:千葉テレビ
台風15号の影響で、千葉県市原市では9日未明、ゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の複数のポールがネットごと倒れ、近くの住宅に直撃するという事故が発生しました。
今回は、市原ゴルフガーデンの台風での倒壊事故の原因や、運営会社の社長、賠償などはあるのかなどについて迫ってみたいと思います。
市原ゴルフガーデンで台風によるネットが倒壊する事故が発生
朝日新聞デジタル他、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
強い台風15号が関東地方に上陸した9日未明、首都圏などでは強風による被害が相次いだ。ゴルフ練習場の支柱が倒れて住宅を直撃したり、工事現場の足場が崩れたり。記録的な強風が各地に爪痕を残した。
千葉県によると、市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」では午前3時ごろ、ネットを支えていた高さ10メートル以上の鉄製の支柱が複数本倒れた。ネットとともに長さ約140メートルにわたって隣接する住宅約10棟の上に覆いかぶさり、支柱が屋根を突き破り2階の居住部分に食い込んだ住宅も。屋内で下敷きになった20代女性が重傷を負った。
「すぐ近くで雷が落ちたような音がした」
近くに住む男性(70)はすさまじい音を耳にした。明るくなって外を見て「あぜんとした」。自宅から1メートル先に鉄柱が倒れていたという。妻と自宅で就寝中に2階に鉄柱が倒れてきたという50代の男性は「天井が上から落ちてきて下敷きになった。額から血が止まらず、怖かった」。
千葉市中央区のJR東千葉駅では、駅舎の屋根が大きくめくれ上がった。
出典:朝日新聞デジタル
台風でネットが倒壊した市原ゴルフガーデンについて
こちらが、台風の影響によりネットが倒壊した市原ゴルフガーデンの詳細です。
出典:朝日新聞デジタル
市原ゴルフガーデンは、 千葉県市原市五井5361にあるゴルフ練習場であり、1球7円で利用することが可能なゴルフ練習場として知られております。
車でのアクセスに便利な環境として知られており、市原インターチェンジからおよそ5分とその近さも便利さの1つに数えられます。
駐車場スペースは70台ほどと申し分のないスペースがあり、車でのアクセスがいい他、JR内房線の利用した際にも五井駅から徒歩でおよそ15分と行きやすい場所にあるため、車で行かなくても便利な場所でもあります。
ゴルフ練習場として大事な飛距離でありますが、160ヤードは確保されており、ドライバーショットには多少物足りないと感じるかもしれませんが、それでもアイアンやウェッジショットであれば十分な飛距離である他、打席数も62打席用意されており、1階と2階に分かれて練習が可能であります。
また、人工芝のパッティンググリーンを利用する事もできますので、パッティングに不安な方もしっかりと練習することが出来ます。
台風で倒壊をした市原ゴルフガーデンの事故原因が酷い
では、台風で倒壊をした市原ゴルフガーデンの事故原因は一体何だったのでしょうか?
9日午前4時半ごろには、最大瞬間風速が千葉市中央区で57.5mを観測しており、事故が発生したのはその1時間ほど前からでありますから、おそらくその風速によって倒壊した可能性が高いと感じられます。
しかしながら、風が倒壊した側に一気に吹いたのであれば、両サイドのネットがポールごと倒れるのが普通であると感じますが、航空写真を見た所、片側のみのフェンスでしか倒壊が認められないため、不自然に感じてしまいます。
出典:FNN
そして、現場付近の様子を見ると以下のようになっていることが分かります。
出典:Twitter
以下のGoogleマップの画像を見たところ、支柱の基礎が地面から10~20cm程度しかないことが分かりますので、欠陥工事もしくは基礎の支柱がしっかりと埋まっていなかったことが挙げられます。
出典:朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタルの画像によれば、支柱が埋まっておらず、柱を支えていた部分は四角いコンクリートだけのように感じられますし、それが埋まっていたという訳ではなく、ただ地面の上に乗っかっていたという表現のようが正しいように感じます。
市原ゴルフガーデンは基礎工事や根入れをしっかりしていなかった?
電信柱に関してでありますが、根入れと呼ばれる建築構造物、土木構造物などにおける、基礎の土への埋め込む作業をしなければならないのですが、この根入れがされていなかった可能性があるのです。
電柱の根入れ深さは電気設備技術基準に定められており、電柱の種類と全長に応じた設定が必要となっております。
全長15m以下の電柱は、根入れ深さを全長の1/6以上確保しなければならず、全長が15mを超える場合では2.5m以上の根入れの深さが必要となるのです。
根入れの基礎工事を分かりやすく説明した図がこちらです。
出典:建築学生が学ぶ構造力学
つまり、市原ゴルフガーデンのネットを支えていたポールは、上記図の右側のようだった可能性が高くなるのです。
市原ゴルフガーデンの運営会社が判明
では、市原ゴルフガーデンの運営会社は一体どこなのでしょうか?
市原ゴルフガーデンを国税庁の法人番号公表サイトで確認をしたところ、株式会社市原ゴルフガーデンという名前がヒットし、法人番号は6040001053582であることが判明しました。
法人番号に指定されたのは平成27年10月5日であるということです。
つまり、市原ゴルフガーデンの運営会社は株式会社市原ゴルフガーデンであるということが判明しました。
市原ゴルフガーデンの運営会社の社長は誰?
では、市原ゴルフガーデンの運営する会社の社長は一体誰なのでしょうか?
市原ゴルフガーデンに関しては、ネット上に公式のホームページがある訳でもありませんので、正確な情報が得られる訳でありません。
そのため、運営会社などは分かりましたが、会社の社長の名前や顔画像に関しては公開されておらず、特定するにも至っておりませんので、こちらに関しては詳しい情報が入り次第、随時お伝えしていこうと思います。
市原ゴルフガーデンの運営会社による賠償金はどうなる?
こうしたゴルフ場を運営するためには会社は、事業者総合賠償責任保険などの保険に加入をしておりますので、おそらく賠償金額はそこから支払われる可能性が高くなります。
事業者総合賠償責任保険の中でも、工場、事務所、店舗、学校、遊園地、看板などの各種施設の所有、使用または管理に伴って生じる偶然な事故、あるいはその従業員等の業務活動・行事等の遂行中に生じる偶然な事故によって第三者に損害を与えた場合に保険金が支払われという、施設賠償責任保険に加入をしていた場合、そこから多額の賠償金が支払われると思われます。
しかしながら、前述の通りに建築基準法を無視して基礎工事をしていたなどの場合、保険会社も過失割合などを見ますので、賠償金が保険会社から支払われい可能性も捨て切れません。
そうなれば、株式会社市原ゴルフガーデンの自社内で賠償金を払わなければいけないのですが、数多くの住宅が大きく損傷しているほか、1人の重傷人も出ておりますので、自社内での賠償金の確保は極めて困難であると思われます。
何れにしても、台風によるゴルフ練習場の倒壊事故であるだけに、一層の波紋が広がりそうな一件です。
市原ゴルフガーデンのように基礎工事の欠陥によって発生した過去の事故がこちら


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