出典:ANN
大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」こと通称ひらパーで、着ぐるみを着用してダンスの練習をしていたアルバイトの山口陽平さんが死亡していたことが明らかとなりました。
今回は、山口陽平さんの熱中症による死因や、ひらパーの過失などについて迫ってみたいと思います。
山口陽平さんがひらパーの着ぐるみバイトで死亡
NHK NEWS WEB他、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
28日夜、大阪・枚方市の遊園地、「ひらかたパーク」で、着ぐるみを着てショーの練習をしていたアルバイトの男性が意識を失い、その後死亡しました。
警察は熱中症で死亡したとみて、詳しいいきさつを調べています。28日午後8時すぎ、枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で、キャラクターの着ぐるみを着てショーの練習をしていた男性の意識がないと、園のスタッフから消防に通報がありました。
男性は病院に運ばれましたが、その後死亡しました。
警察によりますと、男性は市内に住むアルバイト山口陽平さん(28)で、28日は園が閉園したあとの午後7時半ごろ、着ぐるみを着た状態で屋外のステージでショーの練習を始め、25分間の練習を終えて控え室に戻ったあとに意識を失ったということです。
警察は遺体の状況から、山口さんが熱中症で死亡したとみて、詳しいいきさつを調べています。
ひらかたパークを運営する京阪レジャーサービスは、「誠に遺憾であり、原因の究明と再発防止に努めます」とコメントしています。
出典:NHK NEWS WEB
山口陽平さんについて
こちらが、亡くなった山口陽平さんのプロフィールです。
名前:山口陽平(やまぐち ようへい)
年齢:28歳
職業:アルバイト
所属:ひらかたパーク
在住:大阪府枚方市
山口陽平さんは、28日午後6時頃から屋内の練習場で、ジャージ姿でイベントショーを練習し、その後重さ16kgもある着ぐるみを着用して通し稽古をしていたところ、熱中症を発症し具合が悪くなり、そのまま還らぬ人となってしまった人物です。
ひらかたパークについて
熱中症の事故が発生してしまったひらかたパークとは一体どのような施設なのでしょうか?
ひらかたパークは、1910年に香里遊園地という名前で開園をしたという歴史を誇る遊園地、現存する遊園地では日本最古の歴史を誇ります。
現在は、京阪電気鉄道子会社の京阪レジャーサービスが運営をしてり、正式名称は「ひらかたパーク」でありますが、ほとんどの人がその略称である「ひらパー」という風に呼称をします。
夏季シーズンにはプール、冬季シーズンにはスケートリンクなども季節限定のアトラクションもある他、大小様々なアトラクションもあり、問題となっている野外イベントのステージもあります。
入園料とフリーパスの料金はこちらです。
入園+フリーパス | 入園 | フリーパス (入園料金が別途必要) | |
---|---|---|---|
おとな(中学生以上) | 4,400円 | 1,400円 | 3,000円 |
小学生 | 3,800円 | 800円 | |
2歳~未就学児 | 2,600円 | 1,800円 |
山口陽平さんが亡くなったひらパーの野外ステージとは?
では、熱中症の死亡事故が発生してしまったひらパーの野外ステージとは一体どのようなものだったのでしょうか?
こちらが、そのひらパーの野外ステージの写真です。
出典:Google
▼着ぐるみイベント時の様子
出典:Google
野外イベントステージでは、お笑い芸人によるライブや、アーティストによるライブ、そしてキッズ向けにこのように着ぐるみでのショーなども多く行われており、500〜1000人前後のキャパがあると言われております。
山口陽平さんの死因は熱中症!熱中症で死に至る理由とは?
亡くなった山口陽平さんの死因は熱中症であったということですが、熱中症になってしまった原因と、死に至る理由とは一体なんだったのでしょうか?
そもそも熱中症とは、高温・多湿の中で仕事や運動をしたために起こる身体の異常の総称のことで、それそのものに病名がついているわけではなく、熱失神や日射病などを総称して熱中症を言われております。
熱失神・・・皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳への血流が悪くなることにより生じる症状
熱けいれん・・・大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こる症状
熱疲労・・・大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になる症状
日射病(熱射病)・・・体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態
熱中症で死に至る理由とは?
これら全ての症状を総じて熱中症というのですが、直射日光を浴び続けたり高温下に晒され続けると、大量の汗をかいたり体が高温状態になり続けてしまうため、意識障害などを引き起こす危険性があるのです。
死に至る主な原因として脱水症状や、対応上昇による中枢神経系(脳や脊髄)の機能低下、浸透圧の低下により、ナトリウムや電解質の不足に陥ることで、血圧が急に低下するといった症状などが挙げられます。
着ぐるみという密閉された空間の中で、気温33度の中踊り続けていた場合、熱中症になるのは必至であります。
さらに、数日前から風邪気味であったという山口さんは、健常者でもハードすぎる内容の仕事を風邪気味でもこなしていたことになるのです。
真夏の着ぐるみ内の温度は作業中断レベル
真夏に着ぐるみを着た際に、中の温度はどのように上昇してしまうのでしょうか?
気温や気候によって左右されると思いますが、頭部でおよそ7度近くも上昇するのだそうです。
出典:Timeshare
また、着ぐるみ内の相対湿度はどの気温のもとでも80%以上を記録をしており、アメリカの研究のデータですが、1時間着続けた際の発汗量は600mlにもなるということです。
アメリカ産業保健専門家会議のガイドラインによれば、発汗によって体重のおよそ1.5%以上が失われてしまった場合に、炎天下での作業を中断するべきであるという基準があります。
体重がおよそ60kgの成人男性であれば、900mlの汗が一度に失われてしまった場合、大変危険状態となりますので、真夏の着ぐるみの中はまさにその状態に近く、作業を中断するレベルと言っても過言ではありません。
さらに、風邪気味だったという山口陽平さんは、発汗による体温調節機能がうまく働いていなかった可能性もありますので、業務上過失致死に問われても仕方ないでしょう。
熱中症のを防ぐには?
めまいがしたり、吐き気などの症状が出てきた場合には、速やかに風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などの涼しい場所へ移動し、体の熱を取ってあげることが重要でありますが、何より真夏であればこまめな水分補給と休憩が必要です。
喉が渇いたと感じる前に休憩と水分補給をしなければなりませんが、体力勝負の着ぐるみの仕事であればそれは出来ないのかもしれません。
山口陽平さんの熱中症による死亡事故はひらパー側の過失だった?
山口陽平さんは熱中症によって亡くなってしまったわけですが、これはひらパー側に責任があるのではないかと推測されます。
それは以下のような点があるからです。
- 風邪気味でも着ぐるみの練習をさせていた点
- 正午からの出勤で体力ともに疲弊していた点
- 事故当時の気温は28.7℃もあり、湿度も残って蒸し暑かった点
- 20分間ぶっ続けで練習
これらの点を加味すると、風邪気味であったにも関わらず、蒸し暑い中無理やり練習をさせて(20分間)いたために死亡したと捉えられても不思議ではありません。
さらに、正午からの出勤でショーのダンスなどをジャージ姿でやっており、心身ともに疲弊していた状態で追い討ちをかけたのではないかと考えられます。
業務上必要な注意を怠り、よって人を死亡させる犯罪のことを業務上過失致死罪と言いますから、ひらパーを運営する京阪レジャーサービスはこの罪に問われるかもしれません。
何れにしても、亡くなった山口陽平さんには心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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