出典:日々のニュースをあれこれ発信中
20日、反社会勢力から仕事を受注し金銭を受け取ったとして処分が下されていたお笑い芸人・宮迫博之さんと田村亮さんが謝罪会見を開きました。
会見では謝罪の言葉とともに所属していた吉本興業の岡本昭彦社長から圧力を受けて会見ができなかったとパワハラ行為があったことが明らかになり、さらにはテレ在京5社在阪5社のテレビ局が吉本興業の株主であるために事件を有耶無耶にできるといった内容の発言も飛び出しました。
では在京5社在阪5社とはどこのテレビ局を示すのでしょうか。またこの発言を受けた報道メディアの反応も併せてご覧ください。
暴露を受けて会見を開く
20日に開かれた宮迫さんと田村亮さんの謝罪会見で明らかになった吉本興業社長・岡本昭彦氏の一連のパワハラ。
暴露会見を受け吉本興業はすぐさま会見の準備があると声明を発表しました。そして22日午後から会見に臨みました。
吉本興業所属の芸人らが振り込め詐欺グループの宴会に出席して金銭を受け取るなどした「闇営業」問題を巡り、岡本昭彦社長が22日午後2時から都内で会見を開く。一連の問題で、吉本側による会見が開かれるのは初めて。
同社を巡っては、契約を解消された「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんと謹慎中の「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんが20日に吉本を通さず自主的に開いた謝罪会見で、吉本側への不信感を示している。宮迫さんが、吉本側に会見を開くよう提案した際に「静観する」と言われたことがあると告白。また、岡本社長が、会見を開きたいと訴えた田村さんに「やってもええけど、そしたら全員連帯責任、クビにする。俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」と迫った事実があると説明した。他の芸人らからも吉本側への不満の声が上がっており、岡本社長の説明が注目される。
出典:朝日新聞
会見では闇営業問題が発覚してから20日の謝罪会見までの流れが説明された後、岡本社長から宮迫さんらに下した契約解除を撤回して話し合うことが発表されました。
岡本社長はダウンタウンなどの元マネージャーだった
では会見に臨んでいる岡本昭彦社長とはどのような人物なのでしょうか。
名前:岡本昭彦
生年月日:1966年生まれ
年齢:53歳(※2019年7月現在)
学歴:天理大学外国語学部インドネシア学科卒業(1991年)
経歴:吉本興業入社(1991年)
肩書き:代表取締役社長
所属:吉本興業株式会社
岡本昭彦社長は、大学を卒業後に吉本興業に入社をしており、入社に2年後にはダウンタウンのマネージャーを勤めたことでも知られております。
東野幸治さん、今田耕司さん、130R、木村祐一さんなどのマネージャーを務めていたことでも知られており、マネージャー業の傍、番組制作などもしていたということです。
天理大学に在学していた際には、アメリカンフットボール部に所属をしており、そこでアメフトをプレーしていたそうで、そうした体育会系の血が通っているのかもしれません。
在京5社在阪5社の会社名と保有株率
先月、謝罪会見を希望した田村亮さんに吉本興業は静観することを通達しました。
しかしそれでも納得いかない亮さんは食い下がりませんでしたが、そんな亮さんに岡本社長はお前らを首にすることができる、会見したければ引退か契約解除を選べ、そして静観することには在京5社在阪5社のテレビ局は吉本興業の株主だから大丈夫、という発言を浴びせかけました。
この発言の中にでてきた”在京5社在阪5社のテレビ局”。どこのテレビ局を指すのでしょうか。
出典:吉本興業
吉本興業は2009年、上場廃止をしていました。そのため業界内で株を保有し合っていたのか株主のほとんどが報道メディア、通信会社でした。
出典:Wikipedia
この中で在京5社というのはフジテレビ、日本テレビ、TBSテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の5社。在阪5社は朝日放送、毎日放送、関西テレビ放送、読売テレビ放送、テレビ大阪の5社になります。
キー局と呼ばれるほとんどのテレビ局が吉本興業の株を保有していることが見てとれます。
テレビ局は軒並み触れず、サンジャポだけが放送した
田村亮さんの”在京5社在阪5社のテレビ局”発言はテレビメディア側からすると背筋が凍るものでした。
田村亮から今出た吉本側の「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫や」という発言、今日最大の爆弾だと思う。ぜっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったいに地上波テレビは報じられないぞこれ。
— 津田大介 (@tsuda) 2019年7月20日
テレビ局と芸能プロダクションは”もちつもたれず”の関係です。その関係に特別なところがあったと言葉にしてしまうのはテレビ業界の市場に影響を与えかねないものなのです。
会見があった20日の午後以降で放送された報道番組は宮迫さんらの会見をこぞって取り上げました。
しかしどのテレビ局も”在京5社在阪5社のテレビ局”の発言には触れることはありませんでした。
テレビ朝日系報道番組『サタデーステーション』では、放送枠を15分拡大したが、この「株主発言」には触れなかった。同局も出資しているAbemaTVがノーカット生放送したのとは大きな違いだ。
また、TBS系の『情報7daysニュースキャスター』も、2人の会見を詳しく伝えたものの「株主発言」についてはカット。
しかし、安住紳一郎アナの「会見のエッセンスはなるべく抜かずに伝えた」というコメントに、発言がカットされてしまった現場の忸怩たる思いのようなものも垣間見えた。
出典:SIRABEE
唯一この話題を取り上げたのは21日放送のTBS「サンデージャポン」のみ。しかも元衆議院議員の杉村太蔵さんが持ち出してこの話題となりました。
さらに杉村さんが話題を持ち出したことでコメンテーターのデーブ・スペクターさんが切り込んだことにインターネットでは賞賛が相次いでいます。
デーブはこの発言について、
「あってはいけないんです。10%持ってる局もあるんですよ。あと6%、8%。これこそ独禁法ですよ。だってキャスティングしてるから。トップダウンでキャスティング多いんですよ。だからなあなあ関係になるから株、すぐ手放しすべきだと思うんですよ。安全距離を置かないと駄目だと思うんですよ」
出典:めるも
吉本はテレビ業界での頂点に君臨する
先週、公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意を入れました。
公正取引委員会がジャニーズ事務所(東京・港)を注意したことが明らかになった。「退所したSMAP元メンバー3人の番組起用を妨げるような働きかけがあった場合」は独占禁止法違反につながる恐れがあるという内容だ。調査の結果、同法違反を認定するだけの証拠は得られなかったものの、3人のテレビ出演が激減する現状を踏まえて警鐘を鳴らした。
出典:日本経済新聞
公正取引委員会はテレビ局の関係者から何人もの取り調べを行い注意に至ったようです。
このことからたとえ株主だったとしても決してテレビ局に力があるとは限らない上下関係が見えてきます。
もちろん上は芸能プロダクション、下はテレビ局です。
テレビ放送で不可欠なのは人気のあるタレントだということは間違いありません。そのテレビの命である芸能人を仕事を受けるか受けないか決定しているのはタレントが所属する芸能プロダクションになります。
テレビにタレントを送るか送らないかは芸能プロダクションの一存によるわけでテレビ局は芸能プロダクションには逆らえない構図ができているのです。
とりわけ吉本興業は所属タレント6000名とお笑い芸人所属の事務所では最大手でありテレビ業界の裏では莫大な権力を持っていたと見られています。
強い決定権があったからこそ問題を有耶無耶にできる自信があったのでしょう。今後、宮迫さんらに吉本興業がどのようなアプローチを図るのかその一挙手一投足に注目が集まります。
あなたにおすすめの記事


コメント