出典:FNN
1日、自宅に幼い我が子を放置して死亡させた疑いで土屋りさ容疑者が宮城県警に逮捕されました。
死亡した陽璃(ひなた)ちゃんは体重が同年齢平均の3分の2程度の8.6kgしかなく土屋容疑者は日常的な育児放棄をしていたと見られています。
ネグレクトとも呼ばれる育児放棄。なぜ発生してしまうのでしょうか。
土屋容疑者が育児放棄した動機からその心理を追求したいと思います。
長女を放置
事件については産経新聞をはじめ各メディアが以下のように報道しています。
2歳の長女を数日間自宅に放置して死亡させたとして宮城県警仙台北署は1日、保護責任者遺棄致死の疑いで、母親で仙台市青葉区の飲食店従業員、土屋りさ容疑者(25)を逮捕した。調べに対し、容疑を認め、「育児に疲れて1人になりたくて放置した」と供述している。
逮捕容疑は6月末ごろ、長女の陽璃(ひなた)ちゃんを数日間自宅に放置して外出したまま帰らず、低体温症で死亡させたとしている。土屋容疑者は「少なくとも6月27日から同30日まで帰っていない。(放置していた間は)仕事に行ったりしていた」と話しているという。
同署によると、30日午前11時ごろに外出先から帰宅した土屋容疑者が陽璃ちゃんが死亡しているのを発見し、119番通報して発覚した。土屋容疑者は陽璃ちゃんと2人で暮らしていた。同署では育児放棄が恒常的だった可能性もあるとみて調べている。
出典:産経新聞
母親を逮捕
宮城県は保護責任者遺棄致死の疑いで死亡した陽璃ちゃんの母親である土屋りさ容疑者を逮捕しました。
土屋容疑者について明らかになっている情報は次の通りです。
名前:土屋りさ(つちや りさ)
年齢:25歳
職業:飲食店従業員
住所:宮城県仙台市青葉区
土屋容疑者の顔写真、SNS等身元に繋がる情報の捜索を試みましたが発見には至りませんでした。
現場と生活環境
事件が発生した場所はどこだったのでしょうか。
報道メディアによると”仙台市青葉区台原3丁目”のアパートであることが判明しています。
また同時にアパートの外観も公開されていました。
出典:朝日新聞
これらの情報を基に現場を調査したところ”青葉区台原3丁目38番地2号”にあるエスパシオ台原であることがわかりました。
同アパートは築年素28年で全て1Kの賃貸物件でした。
家賃は1ヶ月4.1万円で台原3丁目の他の賃貸物件はだいたいが5万円ほどの家賃ですので平均よりも安い物件になります。
土屋りさ容疑者はどの部屋かは不明ですがこの物件に今年5月に引っ越して娘である陽璃ちゃんと2人で住んでいたようです。
支払っていた家賃を見ると経済的にもある程度困窮していた可能性も伺えます。
多発するネグレクト
虐待の1つであるネグレクト(育児放棄)。土屋りさ容疑者は日常的に娘である陽璃ちゃんへの育児をしていなかったと警察は見ています。
近年に入ってネグレクトによる子どもの死亡事件が後を絶ちません。今月5日にも北海道札幌市で2歳の長女が衰弱死する事件がありました。
札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死し、母親と交際相手が傷害容疑で逮捕された事件で、詩梨ちゃんは5月中旬以降、十分な食事を与えられていなかった疑いのあることが捜査関係者への取材でわかった。北海道警はこの時期から育児放棄(ネグレクト)などの虐待が深刻化したとみて、保護責任者遺棄致死容疑などを視野に捜査している。
出典:朝日新聞
多発するネグレクトの原因についてアメリカの医療機関は親へかかる多様なストレスが原因だとしています。
ネグレクトや虐待は、個人的、家族的、社会的な要因が複雑に組み合わさって起こります。親がネグレクトや虐待を行う可能性を高める要因は、片親である、貧困状態にある、薬物やアルコールの乱用の問題を抱えている、精神的な問題(パーソナリティ障害、自尊心が低いことなど)があることです。また、親が子どもの頃に身体的虐待や性的虐待を受けたことがある場合、自分の子どもを虐待する可能性がより高くなります。貧困家庭の子どもでは、貧困でない家庭に比べてネグレクトが12倍も多くみられます。
出典:MSDマニュアル家庭版
片親であること、経済的困窮に陥っていること、これらは土屋りさ容疑者の生活環境に当てはまります。
警察への供述では育児につかれて1人になりたかったとも口にしていますのでもしかしたら精神的な障害も抱えていたのかもしれません。
このことから土屋容疑者にネグレクトを引き起こさせる要因は整っていました。
しかしネグレクトを起こす可能性が高かったから仕方がなかった、と終わらせるべきではもちろんないでしょう。事件の概要を見るとネグレクトはシングルマザーによって起こされています。そのためにシングルマザーに児童相談所が相談を待つのではなく、児童相談所から悩み相談に応じていくなどの第三者による行動が必要になってくると思われます。
これ以上被害者と哀れな加害者を出さないためにも事態を深刻に受け止めなければなりません。
あなたにおすすめの記事

コメント