出典:FNN
24日午後10時半ごろ、名古屋市北区の路上で「誰かが刃物で刺している。人が血だらけで倒れている」という通りがかった人から通報がありました。
警察官が駆け付けると男性2人が刃物で刺されて倒れており、病院へ搬送されましたが死亡が確認されました。
男性2人を刺したと見られる人物はその場から逃走。愛知県警は緊急配備を敷いて行方を追っていたところ25日午前、現場近くに住む佐藤俊彦容疑者を確保し緊急逮捕しました。
なぜ佐藤容疑者は男性2人を刺したのでしょうか。その理由を佐藤容疑者と被害者男性の関係から追求したいと思います。
無職の男を逮捕
事件については産経新聞をはじめ各メディアが以下のように報道しています。
24日午後10時半ごろ、名古屋市北区西味鋺(あじま)の路上で、近くに住むビル管理会社社員の赤松英司さん(41)と、赤松さんの同僚で同県大府市若草町、小笠原智之さん(44)が男に刃物で刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。男は逃走していたが、県警は25日未明、身柄を確保、うち1人に対する殺人容疑で逮捕した。
逮捕されたのは北区西味鋺、無職、佐藤俊彦容疑者(38)。赤松さんらは現場近くの飲食店を出た後、佐藤容疑者と口論しているのが目撃されており、県警は何らかのトラブルがあった可能性があるとみて経緯を調べている。
逮捕容疑は24日午後10時半ごろ、北区西味鋺の路上で小笠原さんの胸などをナイフで数回突き刺し、殺害したとしている。赤松さんは腹部など上半身を数カ所刺されていた。死因はいずれも出血性ショック。
現場は名鉄味鋺駅から西に約2キロの住宅街で、約200メートル北には市立西味鋺小がある。
出典:産経新聞
”佐藤俊彦”
愛知県警は事件発生を受けてその場から逃走した男の行方を追っていましたが25日未明、男の身柄を確保しました。
殺人容疑で緊急逮捕されたのは佐藤俊彦容疑者。
佐藤容疑者について明らかになっている情報は次の通りです。
名前:佐藤俊彦
年齢:38歳
職業:無職
住所:名古屋市北区西味鋺
佐藤容疑者の顔写真、SNS等の捜索を試みましたが発見には至りませんでした。
佐藤容疑者は現在警察での取り調べにおいて黙秘を続けておりますが、犯行直前に被害に遭った男性2人と口論になっているところを目撃されており佐藤容疑者と被害者男性らの間で何かしらのトラブルがあったと考えられています。
現場は?
路地裏
では事件が発生した現場はどこなのでしょうか。特定してみたいと思います。
報道メディアによると事件が発生した現場は”名古屋市北区西味鋺1丁目”ということが判明しています。
また映像と放送されていますのでそれらの情報を元に現場を探ります。
出典:FNN
現場は名古屋市北区西味鋺1丁目の大通りから一歩裏に入った工場の密集するところでした。
佐藤俊彦容疑者はこの直前に飲食店を出た被害者男性2人とトラブルになったという目撃証言がありますので被害者男性を追いかけてこの路地裏で犯行に及んだのかもしれません。
凶器はどこから?
常備していたか
今回の名古屋市北区路上で発生した殺人事件、逮捕された佐藤俊彦容疑者は被害男性らとトラブルになってから危害を加えるまでにさほど時間がかかっていないように見えます。
そのためおそらく佐藤容疑者は常日頃からナイフを持ち歩いていたのではないでしょうか。
日本国内には”銃砲刀剣類所持等取締法”通称銃刀法と呼ばれる銃、刀剣類、刃物類の所持を厳しく制限する法律があります。しかし今回佐藤容疑者はこの法律を掻い潜って凶器となったナイフを持ち歩いていたと思われます。
まず銃刀法違反の構成を見てみましょう。
第一章 総則(第一条―第三条の十三)
第二章 銃砲又は刀剣類の所持の許可(第四条―第十三条の四)
第三章 古式銃砲及び刀剣類の登録並びに刀剣類の製作の承認(第十四条―第二十一条)
第四章 雑則(第二十一条の二―第三十条の三)
第五章 罰則(第三十一条―第三十七条)
出典:e-Gov
全37条から構成される同法律は銃、刀剣の定義を示していますがその刃渡りは6センチと明記されています。
(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)
第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
出典:e-Gov
要するに上記に該当しなければ刃物所持は違法ではないと解釈されてしまうのです。
所持が許可される具体的な刃物に関しては銃刀法施行令の37条に記載されています。
第三十七条 法第二十二条ただし書の政令で定める種類又は形状の刃物は、次の各号に掲げるものとする。<
一 刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ
二 折りたたみ式のナイフであつて、刃体の幅が一・五センチメートルを、刃体の厚みが〇・二五センチメートルをそれぞれこえず、かつ、開刃した刃体をさやに固定させる装置を有しないもの
三 法第二十二条の内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフであつて、刃体の厚みが〇・一五センチメートルをこえず、かつ、刃体の先端部が丸みを帯びているもの
四 法第二十二条の内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが七センチメートル以下の切出しであつて、刃体の幅が二センチメートルを、刃体の厚みが〇・二センチメートルをそれぞれこえないもの
出典:e-Gov
この37条に該当しないものであればはさみでもナイフでも理由があれば所持は可能になります。
しかし一般的に人間の皮膚から心臓までの距離は5cmほどと言われています。つまり刺された箇所が悪ければたとえ銃刀法に違反していない刃物だとしても心臓に届いてしまうのです。
佐藤容疑者もこの法律の”穴”というべきものを知っており何かしらトラブルに遭遇した際に他者へ危害を加えることを最終目的に刃物を持ち歩いていたのではないでしょうか。
近年になって刃物による殺傷事件が後を絶ちません。刃物は老若男女誰でもどこにいたって購入できる一番身近な凶器です。今以上に所持の違法性を厳格化するべきなのではないでしょうか。
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