出典:FNN
24日、群馬県藤岡市で高齢者の女性からキャッシュカードを騙し取った疑いで元俳優の黒木辰哉容疑者が群馬県警に逮捕されました。
黒木容疑者はお笑い芸人・田村裕さんの青年期を描いた著書原作のドラマ「ホームレス中学生」の田村さん役として注目されていた俳優の1人でした。
ではなぜ俳優として将来を有望視されていた人物が特殊詐欺という犯罪に手を染めてしまったのでしょうか。
その理由を追求しました。
元俳優を逮捕
事件については毎日新聞をはじめ各メディアが以下のように報道しています。
群馬県警捜査2課などは24日、警察官を装い高齢女性から金融機関のキャッシュカードをだまし取ったなどとして、元俳優の黒木辰哉容疑者(24)=東京都江戸川区=を窃盗の疑いで逮捕した。黒木容疑者はお笑い芸人「麒麟」の田村裕さん原作の自伝的小説でベストセラー「ホームレス中学生」のドラマ(2008年、フジテレビ系列)で主役を務めた。
逮捕容疑は、2日午後、仲間と共謀し、群馬県藤岡市の無職の女性(87)方に警察官を装い電話をかけ、「銀行のデータが流出し、あなたの家族も被害に遭っているかもしれない」「残高50万円以上のキャッシュカードを用意して」などと指示。同日午後5時半ごろ、警察官を装い女性方を訪れ、封筒を差し出し「押印するので印鑑を持ってきて」と依頼。女性が印鑑を取りに行っている間にカード4枚を別のカードにすり替えたとしている。カードからは現金計500万円が引き出されたという。
県警によると、黒木容疑者は「弁護士に会ってから話します」と容疑の認否を留保しているという。女性宅周辺の防犯カメラの映像から黒木容疑者が浮上した。
出典:毎日新聞
黒木辰哉という男
事件で逮捕されたのは黒木辰哉容疑者でした。
黒木容疑者について明らかになっていることは次の通りです。
出典:タレントデータバンク
名前:黒木辰哉(くろき たつや)
生年月日:1995年1月12日(24歳)
職業:無職(※元俳優)
住所:東京都江戸川区東葛西
黒木容疑者は2004年から子役として芸能界に飛び込みました。
黒木容疑者がその名を世間に知らしめたのがお笑い芸人・田村裕さんの著書原作のドラマ「ホームレス中学生」で田村さん本人の役を演じたことでした。
ドラマの視聴者からは田村さんと黒木容疑者が顔がそっくりだと話題になり、大ヒットを記録していた原作の後に続く形でドラマもヒット作になりました。
ホームレス中学生を皮切りに主演はなかったもののドラマ「バッテリー」「戦う!書店ガール」「パーフェクトブルー」など数多の話題作に出演しています。
過去の栄光
大作に出演
では黒木辰哉容疑者が出演していた作品を見てみましょう。
ホームレス中学生-田村裕役
出典:ビッグカメラ.com
お笑い芸人・田村裕さんの家族離散から公園暮らしをすることになった実話をもとに出版された著書が原作。
黒木容疑者はオーディションで100人以上いたほかの子役の中から主演の座を勝ち取りました。
田村さんそっくりの容姿は視聴者だけでなく田村さん自身もそっくりだと放映当時は認めていました。
闇金ウシジマくんPart2-仁役
出典:exciteニュース
高利貸しの丑嶋の視点で借金を重ねる人物の人間模様を描いた人気マンガを原作とするドラマと映画です。
黒木容疑者は映画の第2作目に出演しています。
HERO-吉田恒春役
出典:Wezzy
ジャニーズアイドル・木村拓哉さん主演のドラマで検事という職業を描いたドラマです。2000年前半に第1期シリーズを放送して2014年に第2期シリーズが放送されました。
黒木容疑者の役柄は第9話に登場する学生で暴行を受けた被害者という設定でした。
大切なことはすべて君が教えてくれた-瀧山辰哉役
出典:Amazon
教師と生徒の禁断の愛を巡る人間関係を描いたドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」。三浦春馬さん演じる男性教師・修二の生徒役で黒木容疑者が出演していました。
元俳優による詐欺
数々の作品に出演していた黒木辰哉容疑者ですがここ4年ほどは俳優活動をしてはおりませんでした。
その動機についても「弁護士が付いたら話す」と言い黙秘を貫いている状態です。
近年黒木容疑者のように元俳優という肩書でありながら特殊詐欺犯罪に加担する人物が増加しています。
今年2月には元俳優だった男が高齢者から高額の金銭を騙し取って逮捕される瞬間をワイドショーが取り上げたことで話題になっていました。
27日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)で紹介されたニュース映像が、今ネット上で話題となっている。それは先月31日のこと。70代女性から1500万円をだまし取る詐欺の受け子として逮捕された尾上武史容疑者(22歳)が、身柄を拘束され、通報を受けたパトカーがサイレンを鳴らしながら到着した瞬間、路上に突然しゃがみこみ、「うぅぅぅぅ……!」と大声をあげて泣き始めたのだ。
映像は、事件を偶然目撃していた日本テレビの報道カメラマンが撮影したもの。閑静な住宅街にて、警官などに囲まれながら号泣する姿は一種、異様ではある。だが、同容疑者を巡り、とんでもない過去が暴かれた。
「彼は実は、2016年3月5日放送の『マツコ会議』(同系)に出演しているんです。それは大阪『アメリカ村』を特集した際のこと。当時、大阪芸術大学放送学科声優コースの学生だった同容疑者は、なぜか“れっどどぅどぅ”という名前を名乗り、スタジオのマツコともトーク。色使いがド派手なファッションについて、マツコとやり取りしていました。さらに、この容疑者はこの後、劇団員をやっていたようで、昨年11月の渡部豪太主演の舞台『さよなら鹿ハウス』にも出演経験があるそうです」(芸能ライター)
出典:exciteニュース
若手の俳優が詐欺を働く背景には俳優としての賃金が安いというのが原因となっているようです。
俳優志望する人間は数多いますがその仕事は限られており、端役でも出演料なしでやりたいという人は多いため出演料は格安に設定されています。
そのため生活をするためにはアルバイトなど別の仕事をしながらレッスンやオーディションを受けなければならず非常にコンスタントな生活を送らなければならなくなります。
そこで短期間で莫大な金銭を稼ぐことのできる犯罪に手を染めやすいのではないか、というのが俳優の間で語られる見解のようです。
夢をもちそれを追いかけることは素晴らしいことだと思います。しかし人を騙して奪い取った金で夢を叶えることができたとしてそれは本当に本人が望む成功なのでしょうか。
黒木容疑者には猛省とともに自分がどんな俳優になりたかったのか、顧みることを願います。
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