出典:ハイモジモジ
文具メーカーである「ハイモジモジ」が開発した「キモチップ」という商品が物議を醸しております。
今回は、このキモチップや開発をしたハイモジモジ、宣伝をした松岡厚志さん、炎上の理由などについて迫ってみたいと思います。
キモチップが物議をかもす
リアルライブほか、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
文具メーカー「ハイモジモジ」が開発した「キモチップ」というメモについて、ネット上で物議を醸している。
発端となったのは、メーカーの代表の男性が19日にツイッターで発表したあるツイート。そこには、「ご飯が美味しかったときや、丁寧なサービスを受けたとき、チップみたいに『ありがとう』を伝えられたらいいよね。でもチップ文化のない日本では、お金を渡したらびっくりされます。そこでチップみたいに『気持ち』を渡せたらと思い、小切手風のメモをつくりました」と綴られ、開発したという小切手風のメモを紹介。また、使用例の写真もアップされており、「ご馳走様でした」などと記されたメモに手書きで、「Thank you very much!」と書かれていたものが、飲み終えたコーヒーカップのソーサーに添えられていた。
これについてネットからは、「素敵なアイデアです」「世の中クレームは言うけど感謝とか美味しかったとかは書かれない風潮があるのでこう言うので変わってくといいですね」という声が集まっていたものの、一方では「ゴミにしかならない…めっちゃ迷惑」「普通にチップ置けばいいだけだし、小さいお金なかったら直接お礼を伝えればいいじゃん」「自己満足でしかない。出てった客がにやにやしながらお店の外から覗いてたら気持ち悪すぎる」という苦言も殺到した。
出典:リアルライブ
キモチップとは?
では、ここで取りざたされているキモチップとは一体どのようなものなのでしょうか?
キモチップとは文具メーカーのハイモジモジがリリースしている「小切手風のメモ」のことで、チップの代わりに感謝の気持ちを伝えるという意味で、「気持ち」と「チップ」を合わせた造語なのだそうです。
そして以下がその詳細です。
商品名 | KIMO TIP |
枚数 | 50枚綴り |
素材 | 紙+PET(表紙) |
本体サイズ | W95 x H40 x D5mm |
パッケージ | W105 x H89 x D5.1mm |
生産国 | 日本 |
価格 | 367円(340円+税) |
▼キモチップのPR文
気持ちを伝えたいときがあります。
ごはんが美味しかったとき。
丁寧なサービスを受けたとき。
とにかく嬉しくなったとき。
そんなときは去り際に、「キモチップ」を添えましょう。飲み終えたカップの下や、
伝票ホルダーの差し込みポケットに。
その場を後にしたあとで、見つけた人が喜ぶ姿を想像しながら
粋に、こっそり、さりげなく。お金じゃなくてもいいはずです。
だってそうでしょう、チップはもともと、「気持ちをはずむ」ものですから。
出典:キモチップ
さらに、「ありがとう」「ごちそうさま」「美味しかった」のいずれかに該当する各県の印象的な方言を厳選し、47都道府県のちょっと楽しい方言や得した気分になれる豆知識が入ったご当地バージョンも展開されているということです。
例えば、北海道であれば「なまら美味しかった」や、京都府であれば「おおきにありがとうさん」、佐賀県などであれば「がばい美味しかったばんた」という具合に、その土地それぞれの方言の特徴を生かした製品ともなっております。
出典:ハイモジモジ
キモチップの誕生秘話とは?
では、どのようにしてキモチップは誕生したのでしょうか?
ハイモジモジの公式ホームページによれば以下のようなことがきっかけとなって誕生したのだと言われております。
夫婦でハワイ島を訪れたとき、 エメラルドのような海の美しさもさることながら、ホテルのシワひとつないベッドメイキングに感動しました。連泊する旅行者を丁寧に迎えつづけてくれたのです。
そこで最後に感謝の気持ちを伝えたく、ピロー・チップと呼ばれる感謝の1ドル札を置いて、数日過ごした部屋をあとにしようとしました。ところが、それでは物足りない気がするのです。「ここは、お金じゃないだろう」。そう考えたわたしは、部屋に余っていた大量の割り箸で「THANKS」とつづったのでした。
最近は欧米でもチップ文化に懐疑的だと聞きます。もともとチップは、嬉しさや感謝を好意的に示す 良い習慣であり文化であったはずなのに、近頃は支払い額にあらかじめチップ代が含まれていたりして ほとんど形骸化しているのが現状です。
しかし本来はずむべきものは、お金ではなく気持ちではないか。そこに気持ちがあれば十分ではないか。そんな思いで生まれたのがこの「キモチップ」でした。
日本人にはお金を渡すチップ文化はなくとも、互いに気持ちを交わす温かさがあります。 面と向かって表現するのは苦手だけれど、いつも、どんなときも「ありがとう」を忘れません。
その気持ちをアシストするのが、キモチップです。願わくば2020年東京オリンピックまでに、 日本の誇れる文化として根づきますように。
出典:ハイモジモジ
(※ピローチップとは、ハウスキーピングに対して払うチップのことで、朝、ベッドの枕の上に置くことが多いためこのように呼ばれている)
そして、この誕生秘話を開発者である松岡厚志さんが宣伝のためにツイーをしたのですが、炎上する騒ぎとなってしまったのです。
松岡厚志さんは、このキモチップの開発者として知られる人物で、ライターとしても活動をしている人物です。
しかしながら、この割り箸で「THANKS」と文字をしたことに関して「不衛生すぎる」や「今後この箸を廃棄することになると思うので、勿体無い」、「ハウスキーピングの仕事を増やしているだけ」として炎上してしまったのです。
キモチップが炎上
そして、このTHANKSのツイートをきっかけに瞬く間に炎上をしてしまっているのですが、このTHANKSの割り箸以外にも炎上する要素がいくつもあったのです。
ストーカーを生む可能性
キモチップの公式の製品ページには、キモチップの使用例がいくつか掲載されており、その中の1つに、「一目惚れをしたら、さりげなく電話番号を」と、ソーサーに電話番号を記したキモチップが添えられたものが紹介されておりました。
出典:ハイモジモジ
製作者の松岡さんは「こうした使い方も出来るよ!」と軽い気持ちで使用例を載せたのでしょうが、これがストーカーを生むのではないかとして大きなバッシングを受けているのも事実です。
キモチップ発想は悪くないと思ったんだけど、使い方とか小説がダメすぎた
店員さんの様子見守るとかストーカーじみてて怖さしかない…
シンプルに言葉で伝えればいいのに— みずき( •́ฅ•̀ )鶴 (@takalooooove08) 2019年5月23日
キモチップはストーカー御用達アイテムになりそうですね。
— 犬飼BGL(いぬかい・びーぐる) (@BGL_Inukai) 2019年5月23日
キモチップの人は悪いことはしてないって意見が流れてきたけどキモチップの使いみちとして「一目惚れしたら電話番号を書いて置く」を想定してるのは完全にストーカーの発想だし倫理的に紛れもない悪でしょ
— 妖精からっぽまる (@Cotswolds0405) 2019年5月23日
「KIMO TIP」と書かれたキモイ紙片を渡された店員の人、(何このキモイ紙……キモ・ティップ? 自分でもキモイとわかっててどうしてこんなことを? 何かの嫌がらせ? 歪んだ性癖か何か? こわい……ストーカーとかしてきたらどうしよ……)ってノイローゼになりかねないし、すごい発明だよなキモチップ
— ぷにやかたわちこまる (@tawachiko) 2019年5月23日
気になる人に電話番号を添えてってただのストーカー幇助じゃねぇかキモチップ
これ酷いな
— さやぞう!@叢雲絵RTおじさん (@sonic417) 2019年5月22日
もう少しロマンティックな展開になることを開発者の松岡さんは期待したのだと思いますが、こうした現代社会には受け入れてもらえず、やはりこのようにストーカーを助長させるのでは?として炎上してしまったのです。
破格の値段設定
それ以外にも炎上理由としてあげられるのが、破格の価格設定であります。
50枚綴りのキモチップは、1枚ずつ切り離せることをアピールするための商品ページで、以下のように写真を掲載してあります。
出典:ハイモジモジ
この写真にはメモに「Keep the change(お釣りは結構です)」という文言と、支払いの合計金額として「$100,00,00ー」が提示されているのですが、2019年5月23日現在で$100,00,00はおよそ110億2,292万7,690円になりますので、まず飲食店でこのような金額になることはありえません。
メモを回収する手間も増えるという意見も相まって、この破格の値段設定に大きな波紋が広がったことは否めません。
小説がきもい
キモチップを製作したハイモジモジのホームページには、KIMO TIP Short Storyというフィクションの小説が掲載されており、その中でキモチップの使用について以下のように描かれてありました。
出典:ハイモジモジ
なかなかパンチのある文章だと思うのですが、この小説ががキナ臭いとして気持ち悪いと炎上してまっています。
体験談やノンフィクションならまだしも、小説であるが故に無駄に手の込んだ表現や言い回しが癪に障るような人も多く、相手に感謝の気持ちを伝えたいというよりも先に「こんなことする俺ってイケてる」という態度が如実に現れてしまったため、消費者からは受け入れられなかったのでしょう。
ハイモジモジについて
では、ハイモジモジとは一体どのような会社なのでしょうか?
ハイモジモジは、東京都武蔵野市吉祥寺を中心に活動する夫婦ふたりのデザイン・ユニットであり、夫・松岡厚志さんがプロデュースをし、妻・松田綾子さんがデザインを担当しているのだそうです。
合言葉は「Kneepon from Nippon!」なのだそうで、思わず膝をポンッ!っと叩きたくなるようなプロダクトを日々発信していくということです。
2012年にはキーボードに立てることが出来るメモ帳、「Deng On」がグッドデザイン賞を受賞するなどメーカーとしての実績も出てきていただけに、この炎上によって今後どのようなプロダクトアウトをするのか見ものです。
ちなみに、このDeng Onの使用例にある「今日の夜空いてますか?」という文言も、社内でのセクハラやストーカーに繋がるのではないかとしても炎上してしまっています。
出典:ハイモジモジ
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