出典:Facebook
21日に発生したスリランカの連続爆弾テロ。邦人でテロに巻き込まれ亡くなった高橋香さんは現地で家族とともに暮らしていました。
なぜ高橋さんはスリランカでの生活を選んだのでしょうか。スリランカへ渡った理由、そしてテロ当日、どこで何をして巻き込まれたのか。高橋香さんについてまとめましたのでご覧ください。
国際テロ組織が支援か
21日発生したテロ事件について振り返ってみましょう。発生から2日経ってテロ首謀者とテロ組織、そして目的が明るみになってきました。しかし一方で犠牲者も300人超えるなど被害も拡大しています。
【ニューデリー=黒沼勇史】スリランカで21日に起きた連続爆破テロ事件で、同国政府は国内のイスラム過激派「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」が、国際テロ組織の支援を受けて実行したとの見方を強めている。米連邦捜査局(FBI)や国際刑事警察機構(ICPO)は捜査員などを派遣し、同国政府と協力して事件の全容解明にあたる。
23日、スリランカ西部ネゴンボでテロ犠牲者の埋葬に立ち会う人々=ロイター
スリランカ警察は23日、死者数が増えて310人に達し、負傷者は約500に上ると公表した。日本人1人も犠牲になった。23日までに事件の関与を疑う40人を拘束したことも明らかにした。
23日午前0時(日本時間同日午前3時半)には非常事態宣言も発令した。
今回の事件では犯行声明は出ていないが、ロイター通信は23日、スリランカの国防省幹部が「ニュージーランドのモスク(イスラム教礼拝所)が攻撃されたことの報復だ」と述べたと伝えた。3月にニュージーランドのモスクで起きた銃乱射事件では、50人が死亡している。
米UPI通信などによると、FBIはスリランカ当局の捜査に協力することを決めた。トランプ米大統領が22日、スリランカのウィクラマシンハ首相と電話して協力を約束したという。ICPOも現場検証や爆発物、対テロの専門家を派遣し捜査協力すると発表した。スリランカ政府の要請に基づく派遣だといい、すでに情報分析を始めている。
スリランカがFBIなどに協力を求めるのは、テロ事件の解明に国外の捜査情報が不可欠と見ているためだ。政府報道官は22日、NTJが事件に関与したとの見方を示したが「国内の小さな組織が(自爆テロなどを)実行できたとは思わない」と強調した。外国のテロ組織がNTJなどスリランカ国内の組織を支援して犯行に及んだとの構図を想定して捜査を進めている。
テロ専門家の間では中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の連続爆破テロ事件への関与を指摘する分析が増えている。手口がISの手法に似ているためだ。2016年にはスリランカから32人が中東に渡り、ISに加わったとする同国議会の報告が公開された。中東で勢力圏が縮小したISが南アジアに矛先を向けた可能性も指摘されている。
出典:日本経済新聞
亡くなった邦人
”高橋香”さんとは
このテロにより邦人複数人が巻き込まれうち1人が亡くなったことが22日日本時間早朝明らかになりました。
亡くなったのは高橋香さん。現地スリランカの郊外に住む女性でした。
高橋さんについて明らかになっている情報は次の通りです。
出典:Facebook
名前:高橋香(たかはし かおり)
年齢:39歳
住所:スリランカ・コロンボ
高橋さんは2015年からスリランカで生活を送っていましたが、なぜ高橋さんはスリランカでの生活を選んだのでしょうか?
高橋さんの生い立ちをなぞりながらその理由を見てみたいと思います。
優秀な生徒
高橋香さんは小学生時代をアメリカで過ごしていました。そのため非常に英語が流暢だったようです。
高校は東京都北区にある私立中高一貫校の順天高校に入学します。
同校は国際教育に力を入れていて夏休みになると選抜した生徒をイギリスのボランティア妖精団体に派遣しており、高橋さんはその選抜メンバーに高校2年生時で選ばれイギリスに渡りボランティアの活動を学んだそうです。
高校卒業後は大学の中でも特に国際関係に強い上智大学へ進学しました。
さらに大学卒業後、首都大学東京大学院へ進学して自然ツーリズムについての研究を重ねました。
学生時代の高橋さんの人柄について高校時代3年間担任教師を務めた小町浩一教諭は「好奇心旺盛でエネルギッシュだった」と振り返っています。
「好奇心旺盛でエネルギッシュ。頭脳明晰(めいせき)で思考力にも優れており、英語も堪能だった」と高橋さんの人柄を振り返る。「帰国子女だったので物事をずばっと言って先生をどきっとさせていた」とも話した。
また、同高の副校長は「国際社会に貢献したいという気持ちが強い生徒だったと思う。悲惨な話だ」と語った。
出典:JIJI.COM
4年前に渡航
首都大学東京大学院を修了後、2011年に高橋香さんは料理人であるご主人と結婚します。
そして3年後の2014年に女の子を出産しており、その翌年2015年にスリランカへと移住することを報告しています。
出典:Facebook
スリランカへ移住するきっかけは高橋さんのご主人がスリランカで料理人を務めることになったからのようです。
こうして高橋さんは幼い娘を連れてスリランカに移住し、ご主人含めて3人での生活を始めたと言います。
高橋さんのFacebookではそれから3年間、家族で旅行に行く様子や娘の誕生日を現地の友だちと祝う様子を投稿しており、さらに昨年2月には第2子となる男の子を出産していて喜びの報告を上げおりました。
テロ当日
そしてテロ当日となる21日、高橋香さんはご主人と子ども2人と一緒にコロンボ市内にある5つ星ホテル”シャングリ・ラホテル”で朝食を取っていました。
Shangri La Hotel
家族水入らずで過ごす楽しい時間をテロ事件が襲いました。
高橋さんがいたシャングリ・ラホテルは”ザフラーン・ハーシム”というテロの首謀者でイスラム過激派NTJに所属している人物が自爆テロを起こしました。
爆発物の爆風を受けた高橋さんは病院に運ばれその時点では会話もできていたようですが、爆風で内臓を損傷していた高橋さんはその後意識を失い、還らぬ人となってしまいました。
まとめ
ここまでスリランカのテロ事件で亡くなった高橋香さんの生い立ちと当日の行動についてまとめてきました。
高橋さんは学生時代から国際教育に携わり日本と海外に懸け橋をかけることを強く望んでい他ほか、国際関係に強い人材かつ2児の母親という一面もあり、充実した生活を送っていたことがFacebookから伝わってきました。
今回このような身勝手な理由で高橋さんの命が奪われたことに強い憤りを感じます。
ご家族のことを考えると胸が苦しくなりますが、ただただ高橋香さんのご冥福をお祈り申し上げます。
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