出典:TBSNEWS
福岡県警は15日、福岡高等裁判所などが入る庁舎の中で包丁を持っていたとして松枝政治容疑者を逮捕しました。
松枝容疑者は自傷行為の及ぶ目的で包丁を持ち込んだと認めています。
なぜ松枝容疑者は自傷行為に及ぼうとしたのでしょうか。
また裁判所に刃物を持ち込むことのできた理由についてもまとめましたので合わせてご覧ください。
裁判所に包丁
事件についてJNNをはじめ各メディアが以下のように報道しています。
15日、福岡高等裁判所などが入る庁舎の中で、包丁を持っていたとして、80歳の男が逮捕されました。
15日午後2時ごろ、福岡市中央区にある福岡高裁や地裁などの入る合同庁舎から「男が刃物を持っている」と通報がありました。警察官が駆けつけると、福岡市南区に住む無職、松枝政治容疑者が刃渡り21.5センチの包丁を持っているのが分かり、その場で銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕しました。
警察によりますと、松枝容疑者は7階の事務官室を訪れ、キャリーバッグに入れた透明なプラスチックの箱から刺身包丁を取り出して、職員2人に示したということです。取り調べに対して、「裁判所と話し合いに来た」などと供述しているということです。
松枝容疑者が通って来たとみられる庁舎1階の出入り口には
出典:TBSNEWS
犯人は…
福岡高裁や地裁が入る合同庁舎からの通報を受け駆け付けた警察に現行犯逮捕されたのは松枝政治容疑者でした。
松枝容疑者の明らかになっている情報は以下の通りです。
名前:松枝政治(まつえだ まさじ)
年齢:80歳
職業:無職
住所:福岡市南区長住
松枝容疑者の顔写真やSNS等について捜索を試みましたが発見には至りませんでした。
新しい情報が入り次第、追記します。
包丁を持ち込んだわけ
松枝容疑者は15日、福岡高裁や地裁が入る合同庁舎の7階を訪れて対応にあたった職員2名に刃渡りおよそ22cmの刺身包丁をちらつかせた容疑がかけられています。
包丁を持ち込んだ理由については警察の事情聴取で「自傷行為をするつもりだった」と述べているそうですが、その原因として過去に裁判所の対応が納得がいかなかったことがあったと口にしています。
なぜすり抜けられた?
現在、開始時期は異なりますが今回事件が起きた福岡市の合同庁舎と同様に出入口で所持品検査を行っている合同庁舎は全国で数多くあります。
大阪高等・地方・簡易裁判所合同庁舎において,平成30年1月9日(火)から,入庁者に対し,入庁時に金属探知機等を使用した所持品検査を実施しており,危険物等(※注1)の持ち込みは禁止されています。
出典:裁判所
名古屋高等・地方裁判所合同庁舎(以下単に「合同庁舎」といいます。)においては,来庁者の皆様の安全確保のため,平成30年7月4日から,入庁時にゲート式の金属探知機等を用いた所持品検査を実施することとなりました。また,これに伴い,次のとおり利用のできる玄関が制限されますので,来庁される際は,南玄関を利用してください。
つきましては,合同庁舎を利用される際は,お時間に余裕を持ってお越しいただきますようお願いいたします。
なお,所持品検査を受けない方は,入庁することができません。また,ナイフ,カッター,ハサミ等の危険物等を所持したままでの入庁も認められません。危険物等は,裁判所にお持ちにならないように御協力ください。
出典:裁判所
東京地裁では1996年、地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件を受けて所持品検査を行っていました。
所持品検査は金属探知機を用いて行いますが、金属探知機とはそもそもどのような仕組みになっているのでしょうか。
金属探知機にはコイルを使用しております。このコイルに電気を流すことで磁界が発生し、金属が近づくとこの磁界が乱れるためその乱れを検知することで金属の有無を判定しています。
しかし、今回松枝容疑者は合同庁舎に入庁する際、所持品検査を受けて入庁していました。なぜ松枝容疑者が持ち込んだ包丁は発見されなかったのでしょうか。
松枝容疑者は包丁をプラスチックのケースに入れていました。そのためおそらく金属探知機の磁界が乱れることがなかったため反応しなかったと考えられます。
金属探知機以外に凶器を持ち込ませない術はあるのでしょうか。
現在、来年の東京オリンピックに向けて導入が進められている探査装置があります。その名も”ボディースキャナー”。これは磁界を利用した探査ではなく電磁波を用いた探査になります。
装置を通るだけで全身のどこに異物があるか確認できるためアメリカやヨーロッパではすでに導入されています。
今回の事件は一歩間違えれば”裁判所に凶器を持ち込むことは容易い”という考えに繋がる危うい事件でした。日本の司法を揺るがさないためにも所持品などのチェックは厳重に行っていただきたいものです。
あなたにおすすめの記事

コメント