出典:松山大学
学生にMDMAを作らせていたとして、松山大薬学部の岩村樹憲(いわむら たつのり)教授が逮捕されました。
今回は、この岩村樹憲教授が薬物乱用防止教育を推進していたという事実について迫ってみたいと思います。
岩村教授がMDMAを合成させる
ロイター通信ほか、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
麻薬研究者の免許がなかったにもかかわらず、合成麻薬「MDMA」を学生に作らせたり、別の麻薬を所持したりしたとして、四国厚生支局麻薬取締部が16日、麻薬取締法違反の疑いで、松山大薬学部の岩村樹憲教授(61)を書類送検した。捜査関係者が同日、明らかにした。
捜査関係者によると、岩村教授は医療薬学科の教授で、危険ドラッグなどの薬物を研究。学生に合成させたことを認め「勉強のためにやらせていた」などと話している。
書類送検容疑は2013年、学術研究を目的として麻薬の製造などを行える麻薬研究者の免許がなかったが、自身の研究室の学生にMDMAを合成させるなどした疑い。
出典:ロイター通信
岩村樹憲教授について
こちらが、逮捕された岩村樹憲教授のプロフィールです。
出典:松山大学
名前:岩村樹憲(いわむら たつのり)
年齢:61歳
所属:松山大学薬学部医療薬学科 医薬品化学研究室
職業:教授
学位:薬学博士
学歴:岐阜薬科大学薬学部 製造薬学卒業
職歴:1986/04~1991/03 岐阜薬科大学 薬学部 薬化学講座・助手→1991/04~2004/03 岐阜薬科大学 薬学部 薬化学講座・講師→2004/04~2007/03 岐阜薬科大学 薬学部 薬化学講座・助教授→2007/04~ 松山大学 薬学部 薬学部医療薬学科・教授
岩村樹憲教授は、松山大学 薬学部医療薬学科で教授を務めている人物で、日本薬学会や有機合成化学協会、日本薬学会医薬化学部会など数多くの学会にも所属していることでも知られております。
出典:松山大学
薬物乱用防止の委員だった?
そんな岩村教授ですが、調べを進めるにつれて以下のような経歴があることが判明しております。
こちらは「薬物乱用防止教育HP作成委員会」という委員会であり、公益財団法人日本学校保健会によって定められている委員会です。
この委員会は、薬物乱用防止に関する指導を徹底すると共に、若者や学生、児童・生徒が薬やドラッグに溺れることなく、健全な生活を送れるように指導していく機関でもあります。
意義と必要性についてはこちらをご覧下さい。
青少年における覚せい剤等の薬物乱用は、平成10年に策定された薬物乱用防止五か年戦略に基づく諸施策により、児童生徒の薬物に対する意識が全般的に改善されつつあることがうかがわれるとともに、少年の覚せい剤事犯検挙人員が減少傾向にあるなど、一定の歯止めがかかったと認められます。
しかしながら、中、高校生の覚せい剤事犯検挙人員は依然として高い水準にあり、また、薬物の入手可能性などの社会環境は改善されておらず、依然として厳しい情勢にあります。さらに、近年では、大麻やMDMA等錠剤型合成麻薬の押収量が急増しており、これらの薬物の乱用がますます深刻化しているのではないかとの懸念が増大しています。
薬物乱用対策推進本部は、こうした状況を踏まえ、第三次覚せい剤乱用期の一刻も早い終息に向けて、平成15年に新たな五か年戦略(薬物乱用防止新五か年戦略)を策定しました。
文部科学省としては、(1)学校等における薬物乱用防止に関する指導の充実、(2)広報啓発活動等を通じた薬物根絶意識の醸成などを中心に対策を示しています。
本ホームページは、各教育委員会や学校等を対象に薬物乱用防止教育を推進するための情報を提供することを目的とし、また、児童生徒が保健体育、総合的学習の時間等において課題学習を進める上での参考資料となるよう児童生徒向けのホームページも開設していますのでご活用ください。
出典:日本保健会
このような薬物乱用に取り組んでいこうとする委員会に所属しているにも関わらず、薬物乱用にも繋がりかねないMDMAの作成をするというのは、教授や教育者として、さらには医療関係者として決してあってはいけないことです。
学生も同罪?
そもそもこの授業や研究を通して何を教えたかったのでしょうか?
MDMAは合成麻薬の一種であり、化学的な名称で言えば「3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン」という名称で知られているのですが、基本的に各地方自治体に申請しなければ取り扱いが出来ませんし、医師や薬剤師であっても国の許可がなければ製造することすら出来ません。
ですので、このMDMAを勉強のために作ったところで、どのような作用があってどの様に効果が期待できるのかなどを試すことが出来ませんので、なぜ作成したのかも疑問に残ります。
また、前述した通り、MDMAは「3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン」という有機化学を勉強していればわかる構造であるほか、薬学部の学生であれば知っていないといけない物質でありますので、それを教授に言われたからといって作成してしまう様であれば学生も同罪と言えるでしょう。
なぜバレたのか?
では、2013年の逮捕容疑であるにも関わらずなぜバレてしまったのでしょうか?
「免許を受けるのを怠った。使用目的ではない」と岩村教授は供述をしているのですが、免許を取得していたとしてもなぜMDMAを合成する必要があったのか謎です。
今回の事件で、 MDMAの合成に携わった岩村教授や学生らが書類送検されておりますが、四国厚生支局麻薬取締部は、関係機関からの情報をもと逮捕にたどり着いたということで、おそらくですが、内部告発などの関係者からのリークが原因だったと言えるでしょう。
女子駅伝のエールも送っていた
そんな岩村教授ですが、2017年10月29日に行われた第35回全日本大学女子駅伝の直前の壮行式にて、激励のエールを送っております。
第35回全日本大学女子駅伝(29日・仙台市)に10年連続で出場する松山大女子駅伝部の壮行会が23日、同大学樋又キャンパスで行われ、連覇に挑むメンバーに学生や教員、関係者がエールを送った。
壮行会では陸上部や野球部の部員がのぼりを掲げて出迎え、岩村樹憲学生委員長は「悔いの残らないように、楽しんで走り抜けてほしい」と激励。チアリーダー部も演技で盛り上げた。
出典:愛媛新聞オンライン
動画は0:27〜から岩村教授の姿が確認できます。
出典:YouTube
この記事によれば、岩村教授は松山大学で学生委員長も務めているということですが、MDMAを作成していたと事実が広がり、多くの波紋が広がることでしょう。
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