出典:Twitter
財務省は9日、1万円などの紙幣デザインを2024年度上期に刷新すると発表し、大きな話題となっています。
今回は、この新紙幣(新札)のデザインがアラビア数字が使われている理由や、フォント変更の理由、ダサいと言われている現状などについて迫ってみたいと思います。
新紙幣には最新技術が取り入れらている
日刊スポーツほか、メディア各局が以下の様なニュースを報じ、話題となっています。
20年ぶりに全面刷新される紙幣には、偽造防止のため高精細の「すき入れ」模様といった最新技術を導入する。多くの人にとって使いやすいように額面の数字は大型化し、指の感触で紙幣の違いを認識できる工夫も施す。紙幣を識別するための固有の番号である「記番号」は現行の最大9桁から10桁へ増える予定だ。
すき入れは、紙面を光にすかして見ると図柄が浮かび上がる技術。角度を変えて見ることで、デザインが変化するホログラムには肖像の立体的な画像が回転する最先端の技術を取り入れる。財務省によると紙幣への採用は世界初という。
新紙幣の額面は、外国人旅行者にも分かりやすくなるように漢数字よりも洋数字の表記を大きくして配置した。
新500円硬貨は、素材に現行のニッケル黄銅に加えて白銅と銅を用いる。硬貨の周りを別の素材で囲む「2色3層構造」とする。硬貨の縁に刻む斜めギザの一部は間隔を大きくし、偽造防止の効果を高める。硬貨の内側には「JAPAN」や「500YEN」といった微細文字の加工も入れる。
出典:日刊スポーツ
デザインは?
では、新紙幣のデザインは一体どの様なものになるのでしょうか?
こちらが、その新紙幣のデザインとされる画像です。
出典:ハザードラボ
このデザインの変更によって、新紙幣は以下の様に生まれ変わります。
千円札:野口英世→北里柴三郎
五千円札:樋口一葉→津田梅子
一万円札:福沢諭吉→渋沢栄一
日本国において紙幣のデザインを刷新するのは偽造防止のためになのだそうで、20年周期でデザインを刷新しております。
貨幣というのは古より存在しておりましたが、偉人の肖像画が使われる様になったのは、明治6年に発行された国立銀行紙幣券というものであります。
ちなみに、日本で初めて全国通用の政府紙幣「太政官札」が発行されたのは、1868年の慶応4年であるということです。
500円や100円も紙幣であった時代もありましたが、硬貨として扱われる様になったため、過去を遡ると以下の様になります。
一万円:聖徳太子→福沢諭吉→渋沢栄一
五千円:聖徳太子→新渡戸稲造→樋口一葉→津田梅子
千円:聖徳太子→伊藤博文→夏目漱石→野口英世→北里柴三郎
1万円の福沢諭吉の在任期間が長いことが分かりますし、1万円というのは最高価値のある貨幣ですから早々変えられないという財務省の意思表示の様なものも見受けられます。
出典:Twitter
どの様にして決まるのか?
では、紙幣に登場する人物というのはどの様にして決定するのでしょうか?
改造紙幣壱円券が登場してから、17人の人物がお札の肖像画として採用されており、新たに3人が加わったとして現在までに20人がお札になっております。
・神功皇后
・板垣退助
・菅原道真
・和気清麻呂
・武内宿禰
・藤原鎌足
・聖徳太子
・日本武尊
・二宮尊徳
・岩倉具視
・高橋是清
・伊藤博文
・福沢諭吉
・新渡戸稲造
・夏目漱石
・野口英世
・樋口一葉
・渋沢栄一(NEW)
・津田梅子(NEW)
・北里柴三郎(NEW)
新たに肖像を選ぶ場合には、財務省と日本銀行、そして国立印刷局という3つの機関が協力して選ぶのだそうで、最終的にはその当時の財務大臣が結論を下すのわけですが、2019年4月9日現在では、麻生太郎さんが副総理兼財務相という役職に就いておりますので、麻生財務相の意思によって決定したということになります。
そして、肖像を先行する際の条件としては以下の様なことが挙げられるそうです。
1.日本国民が世界に誇れる人物
2.一般的によく知られている人物
3.偽造防止の面から、なるべく精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物
文化的や社会的に日本の学問や社会の発展に大きく貢献したとされる人物(知名度がある)であっても、3番の精密な人物像や絵画が無ければ採用されないとのことですし、その逆もまた然りであります。
今回採用された、渋沢栄一さんは埼玉県民は知らない人はいないというほど、有名であるそうですが、一般的に広く知られているかといえば微妙でありますし、津田梅子さんも北里柴三郎さんも歴史上の人物ではありますが、割と近代であり、大学名にはなっているものの、そこまで知名度は高くないかなというのが率直な感想です。
もちろん、福沢諭吉さんの様に1万円に長らく君臨したことによって知名度が増してくるというパターンも考えられますが、やはりピンとこない人が多いのも現状の様です。
やはり、オリンピックのロゴなどの様に肖像画に関しても、国民に密接に関わる紙幣でありますから、世間一般からの公募をしてみてもいいのではないかと思われます。
アラビア数字が大きいのはなぜ?
今回、新たなデザインとして漢数字メインから大きなアラビア数字がメインとなりましたが、これが原因で日本の紙幣というより海外の紙幣やおもちゃのお金なのではないかという指摘もされております。
何が一番気に食わないかと言うと
アラビア数字が中央にデンと
居座ってる点「子供銀行券」の
オモチャじゃあるまいしhttps://t.co/KmbD9RwcTF— 笑得大使 #JusticeForMahohon (@beautiful_mofu) 2019年4月9日
何がダサいかわかった
チョイスした人がピンとこないってのもそうだと思うけど、一番の理由は全体的に色が薄くてパンチがない
自分旧紙幣のコレクターしてたんだけど特にこの千円・一万円札の色合いはとても昔っぽい
そして数字がでかくてアジアの後進国っぽくて気品がない pic.twitter.com/TQiXESQYDM
— くりぱか (@Creeperker) 2019年4月9日
えぇーん。
新紙幣がダサいよおおお。
漢字はちっこいし数字はデカデカだし顔はなんか写真そのまま貼り付けたみたいだしなんかカラフルだしー。
何処を取ってもダサいよおお。 pic.twitter.com/SulxRnygRn— ばれもん (@child_sheep) 2019年4月9日
なんか違和感あるなと思ったらアラビア数字が主役で漢数字が脇役に見えるからか。
今まで漢数字が主役だったからなぁ。— 社怪人 (@syakaijn) 2019年4月9日
比較してほしい。
人物の場所も数字も文字の配置も揃っていた以前の紙幣にくらべて、新しい紙幣は至極バランスが悪い。数字フォントがゴシック体になってしまっただけで、紙幣の版画的魅力が一気に半減した。 pic.twitter.com/TDIBfIfS3B— 今宮有葉 (@ariha_IMA) 2019年4月9日
多くのユーザーは、アラビア数字のフォントがゴシック体になってしまったことや、色がすごく淡い色となったためにダサさを感じている様です。
新紙幣がここまでアラビア数字を大きくした点として、外国人旅行者にも分かりやすくなるように漢数字よりも洋数字の表記を大きくして配置したユニバーサルデザインを採用したとしております。
ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指したデザインのことを指しております。
つまり、海外を意識した結果、この様なフォントとなったのだそうです。
このデザインにするのは、今後日本にも外国人労働者や観光客が増えるからという見込みがあるのでしょうが、それであれば2020年の東京オリンピックを目指して変えるべきだったのではないかと思われます。
アラビア数字が大きくなったということに違和感を感じているユーザーが多いかもしれませんが、これも使っていけば愛着が湧くデザインとなるかもしれませんので、新紙幣のデザイン刷新が浸透するのを待つべきでしょう。
いつから変わるの?
1964年、1984年、2004年と20年周期で新紙幣のデザイン刷新は行われてきておりますので、次回は2024年の上半期を予定しているということです。
旧紙幣から新紙幣へとデザイン変更を経験したことがある方ならわかるかと思いますが、2024年頃から数年は旧紙幣が支払いに使えるのか疑問点が残ったり、自動販売機では新紙幣しか使えなかったりと、それなりの混乱が予想されます。
また、新しいデザインに慣れておらず偽装紙幣を使用した犯罪なども考えられますので、デザイン変更の際に現金を扱う商売の方は、しっかりと対策を取らなければならなくなかもしれません。
あなたにおすすめの記事

コメント