出典:Twitter
一般常識からかけ離れている名前であるキラキラネームをもつ「赤池王子様(あかいけ おうじさま)」という男性が、改名できたとして大きな話題となっています。
今回は、この改名に至るまでの経緯や、キラキラネームが与える社会的影響などについて迫ってみたいと思います。
”王子様”から改名が可能に
BIGLOBEニュース他、メディア各局が以下の様なニュースを報じ、話題となっています。
一般常識から外れているとされる珍しい名前“キラキラネーム”の男性が、裁判所から名前変更の許可が下りたことを報告した。
変更前の男性の名前は「王子様」(読み:おうじさま)。この名前のせいで男性は、自己紹介や病院の呼び出しなどの場面で、恥をかいたりバカにされ惨めな思いをする、有名になってしまい知らない人から「あれ、王子様じゃね?」と言われる、など幾度となく支障をきたしてきたという。この春、男性は大学に進学し、より多くの人と関わるようになるため、名前の変更を裁判所に申し立て、許可が下りた。
男性の新たな名前は、尊敬する僧侶に相談した際に付けてもらった「肇」。過去の思いを断ち切って新しい人生を始めるという意味が込められているという。改名にあたって父親は快諾。独断で「王子様」と名付けた母親は残念がったが、最後には息子の意見を尊重し同意した。
「王子様」改め「肇」さんは、「これから親になる人は本当によく考えて子供に名前をつけてあげてください」と呼びかけ。また、同じキラキラネームの人へは、「山梨でキラキラネームを理由とした改名は俺が初らしいがこれからは判例があるので十字架を背負った仲間のみんなも希望を持って改名チャンレジしてくれ」とエールを送っている。
「肇」さんがTwitterで裁判所から許可されたことを報告すると、祝福やこれまでの苦労をねぎらう声が殺到。また、「数年前にネットで見たキラキラネームや….実在したんやな」「敬称が名前に入ってるから王子様様とか 王子様殿宛に色々来てたのか」といった驚きの声も多数寄せられ、大きな反響となっている。
出典:BIGLOBE編集部
問題のツイートとは?
では、問題のあったツイートは一体どの様なものなのでしょうか?
こちらが、問題のあったツイートです。
ハァァーイ!!!!!
名前変更の許可が下りましたァー!!!!!!!! pic.twitter.com/jusyxdSHtQ— あかいけ (@akaike_hardtype) 2019年3月7日
そして、この経緯についてはこちら。
王子様はそのまま「おうじさま」と読みます
母親の独断で付けられた名前なので母親は嫌がっていましたが父親は快く受け入れてくれました
今は両親が離婚していて、やむを得ない事情で母親の方についていったのですがそこで再婚、弟(キラキラネーム)ができました— あかいけ (@akaike_hardtype) 2019年3月8日
せっかく再婚したというのに母親が浮気をして今は絶縁状態です
キラキラネームは初対面の人に笑われてしまったり不必要に有名になって知らない人からバカにされたりするのでこれから親になる人は本当によく考えて子供に名前をつけてあげてください— あかいけ (@akaike_hardtype) 2019年3月8日
ちなみに15歳から名前は自分だけで変えられるのでキラキラネームの十字架を背負った同士のみんなも希望を捨てないでくれ
— あかいけ (@akaike_hardtype) 2019年3月8日
つまり、赤池さんは母親の意向で王子様と名付けられてしまい、今までずっと王子様という名前で生活していたということになるのです。
このツイートをしている赤池王子様は都市伝説的にネット上では騒がれており、本当に存在するのか定かではなかったのですが、ここに来て改名の手続きがされていたために、初めて実在したということが証明されたのです。
戸籍法について
名前を変更するに当たっては戸籍法で以下の様に定められております。
正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない(戸籍法107条の2)
手続きとしては、申立人は、名を変更しようとする本人である必要があり、15歳以上であれば自分で申請可能なのですが、15歳未満である場合には法定代理人(親権者等)が本人に代わって申立てを行わなければならず、キラキラネームは親が良しとしてつけているため、事実上15歳以上にならなければ手続きをすることは出来ません。
また、申し立てに関してはは、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所に「名の変更許可申立書」を提出することにより行のが通例です。
名前変更が認められるケースは?
では、名前変更が認められるケースは一体どの様なケースなのでしょうか?
1・営業上の理由による襲名
2・代々の当主が世襲名を名乗っている場合の世襲による改名で、「戸籍上の本名まで変更」する必要がある場合
3・神官、僧侶になる場合、または還俗する場合
4・難解や難読な名前の場合
5・いじめや差別を助長する、珍奇な名前の場合
6・モンスターペアレントまたはそれに類する親類によって名付けられたキラキラネームなどの場合
7・親族や近隣に同姓同名がいて混乱をきたす場合
8・婚姻や養子縁組によって姓を改めた結果、配偶者や姻族、養家族と同姓同名になってしまう場合
9・同姓同名の犯罪者または被疑者がおり、差別や中傷などの風評被害を被っている場合(実例:田中角栄など)
10・帰化した際に日本風の名に改める必要がある場合
11・異性と紛らわしく、性別を変更したなどのため、本人の外見と名前の性別が食い違って生活に不便な場合
12・永年使用ていた「通称」を戸籍上での本名にしたい場合(実例:大川隆法など)
13・出生届時の綴りに誤りがある場合
14・人名用漢字の追加により、「本来使用したかった文字」への変更する場合
15・名前そのものに問題はないが、過去の経緯から著しい精神的苦痛を想起し、日常生活に支障を及ぼす場合
また、これらの他にも幼少時に近親者から虐待などの暴力を受けていた際に、当時を思い出す戸籍名を使用し続けた場合に、多くの精神的苦痛を味わってしまう可能性があると判断された場合にも名前の変更が認められますし、親の昔の恋人と同じ名を付けていたことが配偶者にバレてしまい、円満な家庭環境を害する可能性があると判断された場合にも変更が可能であるそうです。
今回のケースではまず間違いなくキラキラネームを付けられたことによる、精神的ダメージや生活の不便さを解消するために名前の変更が認められたものと思われます。
キラキラネームとは?
では、キラキラネームとはそもそもどの様な名前なのでしょうか?
キラキラネームとは一般常識から著しく外れているとされる珍しい名前のことをさしており、DQNネームなどと呼ばれることもあります。
ここでは、実際につけられたキラキラネームをご紹介します。
剣(ぶれいど)性別:男
繰英人(くりえいと)性別:男
空宙乃(そぷらの)性別:女
友情(とものじょう)性別:男
たった(たった)性別:女
獣王(らいおん)性別:男
不思議(はてな)性別:女
樹理笑汰(じゅりえった)性別:男
運命(さだめ)性別:男
七虹(らるく)性別:男
舞宇(まいう)性別:男
美姫(びゅーてぃー)性別:女
肉丸(にくまる)性別:男
美保鈴(みぽりん)性別:女
核(あとむ)性別:男
沙音瑠(しゃねる)性別:女
愛愛愛(あえら)性別:女?
桜桜桜(あらし)性別:女
涼介(くうるがい)性別:男
窓風朝穂子(そふぃあすいこ)性別:女
理想女(りそな)性別:女
愛と夢(あとむ)性別:男
音音(のんのん)性別:女
愛茅(なち)性別:女
創価(そうか)性別:女
須佐之雄大牙(すさのおたいが)性別:男
爆走蛇亜(ばくそうじゃあ)性別:男
煮物(にもの)性別:女
北斗拳(ほとけ)性別:男
偉人(ぐれいと)性別:男
高飛(じゃんぷ)性別:男
奈々安寿絵里(ななあんじゅえり)性別:女
麗音菜愛梨亜(れおなあめりあ)性別:女
喜怒哀楽(ゆたか)性別:男
新幹線(しんかんせん)性別:男
栄務(あぶらはむ)性別:男
憂入合夢(うぃりあむ)性別:男
宗真葉(しゅーまっは)性別:男
波波波(さんば)性別:男
アロハ勇人(あろはゆうと)性別:男
是留舵(ぜるだ)性別:女
振門体(ふるもんてぃ)性別:女
神(しはい)性別:男
詩羽楊(じばにゃん)性別:男
万華(まんげ)性別:女
新一(こなん)性別:男
愛子エンジェル(あいこえんじぇる)性別:女
福福福福(ふくふくふくふく)性別:男
主人公(ひーろー)性別:男
愛歩(あほ)性別:女
これら全て、実際に名付けられた名前であるということで、親御さんは一体どの様な気持ちで名付けたのかその神経を疑いたくなってしまいます。
キラキラネームの影響
難解な読み方であっても常識的な名前の範疇にあれば、そこまで苦労することはないと思われますが、名前というのは一生背負って生きていかなければならず自分のアイデンティティにもなりますので、親は責任を持って名付けなければなりません。
キラキラネームにすることによって、まず学校や保育園、幼稚園などの教育機関で珍しい名前であるといじめられることがあるかもしれませんし、病院や公共機関においても人と違う名前であることから恥をかく可能性も十分に潜められております。
福福福福(ふくふくふくふく)や奈々安寿絵里(ななあんじゅえり)を例にあげますが、この様に長いとテストの答案用紙に書くときに苗字も合わせれば相当長くて苦労する他、マークシートに記入できないかもしれません。
周りからはバカにされ、人と違うとして負い目を一生背負わなければならないキラキラネームは多くの影響を及ぼすとされており、親の身勝手な意向などで勝手に将来を潰されてしまうのはあまりにも可哀想であると言えるでしょう。
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