出典:Twitter
今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、カーリング女子日本代表の「LS北見」が試合中に発していた「そだねー」が年間大賞に選出されました。
今回は、この中でトップ10にランクインしていた「ご飯論法」について解説をしていきたいと思います。
そだねーがグランプリ
産経ニュースほか、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
今年話題になった言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞が3日発表され、今年の平昌五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子の選手たちが使った「そだねー」に決まった。
「そだねー」は「氷上のチェス」と呼ばれるカーリングの緊迫した攻防戦のさなか、「そだねー」と作戦を話し合うのんびりとしたやりとりが、「ほっとするひと時をもたらしてくれた」として評価された。
このほかトップ10に入ったのは、対戦型ゲームをスポーツ競技としてとらえる「eスポーツ」、NHKのクイズバラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」の人気キャラクターの決めぜりふ「ボーっと生きてんじゃねーよ!」、日本ボクシング連盟の不正疑惑で特定の選手を優遇したとされる「奈良判定」など。
出典:産経ニュース
出典:日本経済新聞
ご飯論法とは?
この中でトップ10にランクインしていた「ご飯論法」ですが、こちらが全く聞いた事がないとしてネット上では話題となっています。
今年の流行語大賞、めずらしく納得の行く感じの。 大賞以外もそこそこ聞いたことあるし。 例年だと、7割8割、ニュースで初めて聞くのに。 ご飯論法だけ知らん。
— 茶。 (@u_ron_tya) 2018年12月3日
そもそも国民の大半が流行語大賞にノミネートされるまで『ご飯論法』なんて聞いた事がない
山尾志桜里の自作自演疑惑があっ『日本死ね』や今回のご飯論法といい国益に害する勢力の言葉を無理矢理流行らせようとするユーキャンと小学館は恥を知れ!
— おじ様 (@genesis_1973) 2018年12月3日
全く使わなかった同時に知らなかったのが ご飯論法・・・正直誰がどこで使ったか未だわからないw#流行語大賞
— 愛ちゃーーん (@my1202) 2018年12月3日
ご飯論法とは、そもそも上西充子法政大学教授が自身のTwitter上で、国会での議員のやりとりを揶揄した表現のことで、典型的な国会答弁に対して一石を投じるようなものです。
その当時のTwitterのやりとりがこちらです。
Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」そんなやりとり。加藤大臣は。
— 上西充子 (@mu0283) 2018年5月6日
Q「では、何か食べたんですか?」
A「お尋ねの趣旨が必ずしもわかりませんが、一般論で申し上げますと、朝食を摂る、というのは健康のために大切であります」
Q「いや、一般論を伺っているんじゃないんです。あなたが昨日、朝ごはんを食べたかどうかが、問題なんですよ」
A「ですから・・」— 上西充子 (@mu0283) 2018年5月6日
Q「じゃあ、聞き方を変えましょう。ご飯、白米ですね、それは食べましたか」
A「そのように一つ一つのお尋ねにこたえていくことになりますと、私の食生活をすべて開示しなければならないことになりますので、それはさすがに、そこまでお答えすることは、大臣としての業務に支障をきたしますので」— 上西充子 (@mu0283) 2018年5月6日
これは、こんなごまかしやすり替えが国会で日常的に発生しており、結果として疑惑は解明されないまま、ただ時間だけが無情にもすぎて行くということを嘆いているもので、森友や加計学園問題での国会答弁に対してうんざりしている人かすれば、非常に納得のいく内容となったことでしょう。
しかしながら、このご飯論法は政治とネットに詳しい一部のニッチな人からは支持が得られたようですが、一般大衆や世論から見れば大幅にずれており、そこまで”流行”
したとは言い難いものでしょう。
なぜこのような論述がされるのか?
ご飯と言われれば、日本人は「食事をすること」と指すのか、単純に白米単体を指すのかその時のシチュエーションによらなければなかなか理解出来ません。
パンを食べたけどご飯は食べていなくても、ご飯(食事)は食べたことになります、そこをいちいちツッコむ人もいなければ気になるひともあまりいません。
ですが、これは食事に例えているからそうなるのであって、これが国の政治の最高機関である国会で行われているとなると、追求したりツッコミたくなるのも無理はありません。
流行語の選考基準について
昨今の新語・流行語大賞というのは、多くの疑問が残されており、そこまで流行ったか?などというワードもトップ10に入ったりしております。
「新人類」や「すったもんだがありました」、「ぶっちほん」や「IT革命」など時代を彩ってきた言葉は非常に鮮烈に脳裏に焼き付いており、社会的に流行していたということも記憶に新しいものです。
ですが、昨今ではSNSやスマートフォンの普及や発達の影響で、TVや新聞、雑誌などのメディアの影響力が劣ってきており、毎日のようにメディアを流すということがなくなって来ております。
情報が一方的に流されていた時代から、まさにIT革命によって情報を取捨選択する時代へと突入しておりますので、一部では流行していても、一部では全く知らないという言葉もあるのでしょう。
新語・流行語を選考しているユーキャンによれば、以下のような選考基準があるそうです。
この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
1984年に創始。毎年12月初めに発表。『現代用語の基礎知識』収録の用語をベースに、自由国民社および大賞事務局がノミネート語を選出。選考委員会によってトップテン、年間大賞語が選ばれる。
選考委員会は、姜尚中(東京大学名誉教授)、金田一秀穂(杏林大学教授)、辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集部長)で構成される。
出典:ユーキャン
いわゆる知識人や、文化人などが名を連ねておりますが、この方たちが全員流行に敏感であるかはさだかではありませんし、全国的に流行した言葉を選ぶというこの行為自体がよくわからない風習であるでしょう。
何れにしても、ご飯論法ほど話題にならなかった言葉はないと考えられます。
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