出典:NHK
8日、鹿児島市の平川動物公園で、古庄晃(ふるしょう あきら)さんがホワイトタイガーにかまれ死亡した事故で、動物園側は9日午前から記者会見を開き、事故の状況を説明しています。
事故原因がわからず
FNNプライムほか、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
8日、鹿児島市の平川動物公園で、男性飼育員がホワイトタイガーにかまれ死亡した事故で、動物園側は9日午前から記者会見を開き、事故の状況を説明している。
平川動物公園・石堂昭憲園長は、「40歳という、非常に若い、しかも優秀な職員でしたので、こういうことで1人の職員を亡くすということは、大変残念なことですね」と語った。
8日午後5時すぎ、鹿児島市の平川動物公園で、「男性職員がホワイトタイガーにかまれ意識がない」と、動物園の職員から消防に通報があり、飼育員の古庄晃さん(40)が首をかまれ、通報からおよそ2時間後に死亡した。
関係者によると、古庄さんを襲ったオスのホワイトタイガーは、獣医師によって麻酔銃で撃たれ、同じおりの中に横たわっていたという。
動物園側は、事故が起きたくわしい経緯を調べている。
事故が発生して一夜明けた9日、動物園は通常通り開園しているが、ホワイトタイガーのおりの周辺は、立ち入り禁止になっている。
出典:FNN
古庄晃さんについて
こちらが、ホワイトタイガーに襲われて亡くなった古庄晃さんのプロフィールです。
名前:古庄晃(ふるしょう あきら)
年齢:40歳
職業:飼育員
所属:平川動物公園
在住:鹿児島県鹿児島市
出身:福岡県行橋市
担当:猛獣
古庄さんは、8日午後5時すぎ、鹿児島市平川町の鹿児島市平川動物公園の職員から「職員がホワイトタイガーに襲われた」と119番通報があり、その後病院に運ばれましたが、死亡が確認された同動物園の飼育員の男性です。
平川動物公園の石堂昭憲園長は、古庄さんに対して「40歳という、非常に若い、しかも優秀な職員でしたので、こういうことで1人の職員を亡くすということは、大変残念なことですね」とコメントを残しております。
ちなみに、こちらが顔画像であります。
出典:JNN
なぜホワイトタイガーと一緒にいたのか?
では、古庄さんはなぜホワイトタイガーと一緒に過ごさなければならなかったのでしょうか?
平川動物公園の園長は「「なぜトラと同じ空間にいたのか分からないとしか言いようがない。優秀な職員を失い大変残念」とコメントをしており、事故原因については不明であると一切の言及をしておりません。
この平川動物公園のホワイトタイガーは全部で4頭おり、飼育室で1頭ずつを展示していました。
そして、古庄さんはホワイトタイガーの寝室への収容や閉園時の清掃などの作業を普段から1人で担当していたのだそうでし、非常に優秀な飼育員であることからも「飼育室に猛獣と一緒にいる状況はあり得ない」などと同じ園長はコメントを残しています。
ですが、古庄さんは平川動物公園より以前に勤めていた「阿蘇カドリー・ドミニオン」という動物園でクマを担当していた際には、「クマのことで分からないことがあったら古庄さんに聞け」などと言われるなど猛獣を扱うことには慣れていたほか、事故当時は悲鳴を聞いたなどの証言もないことからますます謎は深まるばかりなのです。
この平川動物公園のルールでは「同じ空間に人とトラが入らないようにする」ことにしているため、通常の手順では展示用のおりからトラを寝室に移動させ、檻と寝室の間の扉を施錠してから、檻の掃除に入るのだそうです。
そのため、一緒の空間にトラと人間がいることは全くもって考えられないのだそうです。
過去にも事故が発生している?
ホワイトタイガーは人懐っこいネコ科の一面と、狩をするハンターの一面がありますが、過去にはこのような痛ましい事件も発生しています。
これらのトラによる事故は、オスが発情期で気が立っていたために、襲われたのではないかと考えられています。
こと日本においては、ホワイトタイガーを飼育している福岡県大牟田市動物園によれば、2011年にとある飼育員の方がライオンに噛まれてけがをするという事故があったのを受けて、獣舎の清掃などは必ず2人一組で作業するよう徹底していると言います。
しかしながら、猛獣の飼育に関するマニュアルやルールなどの規定はないのだそうで、各園でやり方は異なってるといい、今回襲われたのは1人でいるところだったのです。
2人1組だったら助かったのかと言われれば、そうではないこともあるかと思いますが、少なくとも1人よりは生存確率が上がったことでしょう。
ホワイトタイガーとは?
では、襲ったホワイトタイガーはどのような品種のものなのでしょうか?
ホワイトタイガーとはインドに生息するベンガルトラの白変種であり、全世界でも250頭あまり、国内には30頭ほどしかいない希少種としても知られております。
ホワイトタイガーを含むベンガルトラは、アムールトラと同じく比較的大型のトラで、インドやネパール、バングラディシュなどに多く生息しているのだそうで、現在IUCN(国際自然保護連合)によってレッドリストに絶滅危惧種として指定されています。
それは目が青いこと、肉球の色が肌色、そして体が白いことが普通のトラとは違うとされている特徴で、動物園によっては寝てばかりいる種もいるのだと言います。
日本では、以下のような動物園でホワイトタイガーを見ることが出来ると言います。
・那須サファリパーク(栃木)
・群馬サファリパーク(群馬)
・東北サファリパーク(福島)
・伊豆アニマルキングダム(静岡)
・アドベンチャーワールド(和歌山)
・東武動物公園(埼玉)
・姫路セントラルパーク(兵庫)
・秋吉台自然動物公園(山口)
・しろとり動物園(香川)
・とべ動物園(愛媛)
・大牟田市動物園(福岡)
・平川動物公園(鹿児島)
地球が氷河期であった頃は、白色というのは保護色であっため(雪と同化する)、白い色の毛を生やす遺伝子が発達し、このようなホワイトタイガーが生まれたと考えられていますが、現在は氷河期と氷河期の間の間氷期でありますから、白い色の毛を生やす必要性が無くなっているのです。
そのため、ホワイトタイガーはメラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体のアルビノとは異なり、単純に白い毛を生やす遺伝子を持った個体ということになるのです。
ですから、ホワイトタイガー同士を掛け合わせてもホワイトタイガーが生まれてくるという確率は100%ではなく、野生では目立ちすぎてすぐに狩の対象となるほか、毛皮などに密猟されることが考えられますので、全世界のホワイトタイガーは全て飼育下にあるためものすごく希少であります。
今回の麻酔銃で眠らされてしまったホワイトタイガーですが、古庄さんの遺族らによれば殺処分はしないで欲しいとのことで、「平川で飼育してください」という旨の言葉を園がもらっていることも明らかとなっています。
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