出典:sirolog.com
28日、愛知県は知多半島で捕獲された野犬3頭のふんから、寄生虫の「エキノコックス」が検出されたと発表され、話題となっています。
エキノコックスが発見される
東海テレビほか、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
キツネやイヌからヒトにうつると肝臓などに重い症状が出る寄生虫「エキノコックス」が、愛知県の知多半島で広がっていることがわかりました。
エキノコックスは北海道のキタキツネに多く見られる寄生虫で、ヒトにうつると10年前後の潜伏期間を経て重い肝不全を起こすことがあります。
愛知県では2014年阿久比町で捕獲された野犬で、本州のイヌとしては全国2例目となる感染が確認されていましたが、調査を続けた結果、3月に入り南知多町など周辺の市町で複数の野犬への感染が確認されました。
国内では北海道以外で感染の広がりが認められるのは初めてで、愛知県や厚労省は知多半島の一部を流行地域と位置付けて、注意を呼びかける方針です。
出典:東海テレビ
エキノコックスとは
出典:紋別市ホームページ
エキノコックスとは寄生虫の一種で、日本では輸入感染症の1つとして認知されていることで知られています。
主な発生源としては、キタキツネや犬、猫、狸、狼などのイヌ科をはじめとする肉食動物の糞に混ざっていたエキノコックスの卵胞を、水分や食料などの摂取する行動を介して、人間が経口感染する事によって発生するとされています。
また、エキノコックスは経口感染でのみ感染するとされていますので、まず感染することはないものと思われますし、人間から人間への感染や、寄生虫に犯された中間宿主を介しての感染もまず考えられないのだと言います。
元々はキタキツネなどがよく生息している、北海道での発症が多く見られており、毎年20名ほどの患者さんが感染していることでも知られています。
主に、その感染経路としてあげられるのが生水を口に含んだり、井戸水を飲んだ入りすることによるもので、好き好んで糞尿を食べる人はいないと思われますので、エキノコックスが生息している水を飲むことによって感染するのでしょう。
症状は?
では、一体どのような症状を引き起こすのでしょうか?
国立感染症研究所の発表によれば、人体各臓器特に肝臓、肺臓、腎臓、脳などで包虫が発育し、諸症状を引き起すとされているほか、やがて肝臓腫大を引き起こし、腹痛、黄疸なそどの激しい皮膚の痒みなどを発症することがあるのだそうです。
さらに、脳、骨、心臓などに寄生して重篤な症状をもたらす危険性もあるほか、内容物が漏出するとアナフィラキシーショックを起こし、場合によっては死に至ることもある恐ろしい寄生虫として知られているのです。
また、エキノコックス自体の増殖はゆっくりとしており、比較的無自覚・無症状で病状が進行することがあるそうですが、ある日突然に、肝臓などの激しい腹痛に見舞われるらしく、周囲の諸臓器を圧迫し、胆道閉塞や胆管炎を併発したり、ときに破裂したりと気がつくば手をくれになってしまうこともあるのだそうです。
脳に転移することもあるのだそうで、そうなれば意識障害やけいれん発作などをすることがあり、非常に危険であるとされています。
治療と予防は
早期発見した場合には、もちろん手術によって切除することが望ましい対応ですが、基本的に早期発見でない場合には完全切除は困難となるために、やはり個人レベルでの予防が必要不可欠となってくるでしょう。
直接的な対策は多くの経口型感染症対策と同じで、「手洗いうがい」「汚染の恐れがある食材は加熱調理をして食べる」などとされています。
こうしたことによって、経口感染を防ぐ効果が期待できるとされています。
また、個人レベルの対策として、住環境においては、すなわち媒介動物対策が必要となってくるでしょうし、主要な感染源となるキツネや野良犬などを民家に近づけないなどの対策の他、餌となる畜産廃棄物、水産廃棄物、生ゴミなどを然るべき方法で処理することが必要不可欠となってくるでしょう。
さらに言えば、感染源となるキツネや犬などのエキノコックスを持っている可能性のある宿主に接触しないようにし、虫卵に汚染されている可能性のある飲食物の摂取を避けることが重要になってきます。
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