出典:SBS
2018年2月19日、3人の選手が一つの体のように動かなければならないスピードスケート女子チームパシュート(団体追い抜き)で、韓国チームの2選手が最後尾にいた選手の遅れに気付かず先にゴールし、物議を醸しています。
チームパシュート女子韓国代表のゴールに波紋
Wow Korea他、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪・スピードスケート女子団体追い抜き(パシュート)に出場した韓国代表キム・ボルム選手(25)、パク・ジウ選手(19)が非難の標的になっている。2人への国家代表資格剥奪請願が14万を超えた(20日午前現在)。
韓国大統領府ホームページ内に設置された国民請願コーナーは、請願後、30日間で20万人以上の推薦を受ければ、政府および大統領府関係者の関連回答を得ることができる。
これを前に、キム・ボルム-パク・ジウ-ノ・ソンヨン(28)で構成された女子パシュート韓国代表は前日(19日)、江陵スピードスケート競技場でおこなわれた競技で、3分03秒76を記録し、8チーム中7位に終わった。
しかし、この結果ではなく内容面で非難されることとなった。
計6周するパシュートで韓国は残り1周の場面でスパートした。この過程で一番後ろを滑走していたノ・ソンヨンがキム・ボルムとパク・ジウに大きく離されるかたちとなり、そのままばらばらでゴールした。
最も遅くゴールした選手の記録で順位が決まる種目の特性上、納得するには難しい状況だった。大抵は選手を前で引っ張り、後ろから押してレースを展開するためだ。
さらにキム・ボルムは競技後のインタビューで「最後にソンヨンさんの体力が落ち、格差が広がった」と笑いながら話したことで、ネット上で波紋が広がった。その後、キム・ボルムのSNSには悪質なメッセージが相次ぎ、SNSを非公開に転換するに至った。
出典:Wow Korea
問題の動画は?
では、置き去りにされてしまった、問題のシーンは一体どのようなものなのでしょうか?
こちらの動画から確認することができます。
また、こちらのGif画像でも確認できます。

これだけならまだ、レース中のハプニングやチームの作戦ミスなどで終わることが出来るのですが、試合後のキム選手のインタビューが大きな波紋を呼んだのです。
最後に先頭を走ったキム選手が共同取材エリアで記者らに対し「チームパシュートは先頭ではなく最後尾の選手のタイムを測るので、良くないタイムが出た」「3人が一固まりでゴールしていたら準決勝に進出できたはず」と話すなど、「最後尾を走ったノ選手が遅れたせいで準決勝に出場できなかった」という内容が直接的に含まれていたのです。
つまり、最後尾の選手が悪く、自分たちは精一杯の努力をしたということを言っており、このことがキム選手のSNSなどに批判が飛び火をし、炎上する騒ぎとなっているのです。
チームパシュートとは?
そもそも、チームパシュートとはどのような競技なのでしょうか?
団体追い抜き(チームパシュート)とは、ワールドカップなどでは04~05年シーズンから採用されている競技で、2006年のトリノ五輪から正式種目に加わったものです。
出場は全部で8カ国で、2チームがリンクのホーム、バック各サイドから同時にスタートし、各チームの3人が同時に滑って争い、3人目の選手がゴールラインを通過したタイムがそのチームの記録となります。
1周400mを女子は6周、男子は8周し、1回戦はタイム争われ、上位4チームが準決勝へ進みます。
準決勝からは対戦勝ち抜き方式を採用しており、各国は4人の登録選手を入れ替えながら戦うことができるため、選手の選抜や起用法などが運命を左右するといっても過言ではありません。
最後の選手がゴールをした段階で、勝敗が決まるわけですから、この韓国代表のようなチーム競技であるはずなのに、個人競技のようなプレーをすることは絶対に許されません。
リレーのように、一人一人がバトンを繋いで走っているわけではなく、同時に3人の選手が走るわけですから、韓国のネット上やメディア等でも「チーム競技なのに個人競技だと思った」「リードした選手への失望感が大きい」などの批判が上がっているのです。
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オリンピックは平和の祭典
オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典であり、スポーツを通じ、人間育成と世界平和を究極の目的としているものです。
そこに、国境などなく、参加している全選手がお互いの健闘を称え合い、スポーツマン精神に乗っ取って、正々堂々とハツラツとプレーをし、勝敗を喫するのです。
ここに参加している選手は、4年間血の滲むような努力をしてきており、どの選手が優れているなど、優劣をつけるのは非常に困難であり、政治的なしがらみや宗教的な垣根を超えて、全人類が交わることが出来る唯一の国際的な祭典といっても過言ではありません。
そのため、お互いの選手をリスペクトしたり、敬ったりすることはもちろんのことですが、自国の選手に対しては同じ国の代表ですし、力を合わせたり、協力したりすることは当然の責務であります。
ましてや、同じ競技で同じ種目に出場している同じチームメイトに対して、「彼女のせいで準決勝に進めなかった」と文句や批判をするのは、オリンピックの精神に反しますし、スポーツマンとしてあるまじき言動です。
とりわけ、勝ちに貪欲で、こだわっている場合には、こうしたこともあるのかもしれませんが、それはメディアを通じてコメントするべきことでないですし、仮にあったとしてもそれ以上にこの大舞台で滑走し、結果が何であれ多数の応援を背にプレーしたことをもっと誇りに思うべきです。
また、韓国代表は自国開催でもありますし、多くの国民が期待し応援している中でのこのような不祥事は、ファンを失望させるだけでなく、韓国という国の評価を著しく下げざるを得ません。
先日、スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手は、同競技のライバルである韓国のイ・サンファ選手に対して、試合後お互いの健闘を称え合い、労いの言葉をかけ、オリンピックに相応しい対応をしていただけに、「イ・サンファ選手と小平選手のメダルの色も国も関係ない友情を目にしたと思ったら、今度は同じ国旗を背負う選手がこの有りさま」と強い批判が飛び交っているのも現状です。
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