出典:ミクシィ公式グループ
歌手・安室奈美恵さんのライブチケットを転売する目的を隠して不正入手したとして、京都府警は11日、チケット転売の仲介サイト「チケットキャンプ」運営会社「フンザ」(東京)の元社長・笹森良(ささもり りょう)容疑者ら4人を書類送検しました。
「チケキャン」元社長ら書類送検=転売用にライブ券入手疑い
時事通信社他、メディア各局が以下のようなニュースを報じ、話題となっています。
ミクシィの子会社「フンザ」(東京都渋谷区)が運営するサイト「チケットキャンプ(チケキャン)」をめぐるチケット不正販売事件で、京都府警は11日、転売目的を隠しライブチケットを入手したとして、詐欺容疑でフンザの笹森良・元社長=東京都千代田区=(38)と転売業者ら計4人を書類送検した。
府警によると、いずれも容疑を認めている。チケット転売サイトの摘発は全国初という。
送検容疑は昨年4月10日ごろ、電子チケット購入サイトで、人気女性歌手のライブチケット2枚(計1万9600円)を転売目的を隠して他人名義で購入した疑い。
府警によると、2枚のチケットはチケキャンを通じ計3万4000円で転売された。笹森元社長はチケットが不正に入手されたと知りながら、売買成立時の転売業者の手数料を無料にするなどして優遇し、出品を促していた。
業者は不正入手した各種チケットを「チケット倉庫」という名称で出品。2015年から約3年間で、チケキャンを通じた転売で約32億円を売り上げていたという。
府警は昨年、フンザや転売業者を家宅捜索して不正販売の実態を調べていた。ミクシィは同年末、チケキャンを今年5月末で閉鎖し、事業から撤退すると発表している。
出典:時事通信社
笹森良容疑者について
こちらが、書類送検された笹森良容疑者のプロフィールです。
出典:HRナビ
名前:笹森良(ささもり りょう)
年齢:38歳
職業:元社長
在住:東京都千代田区
笹森容疑者は、人気女性歌手のライブチケット2枚(計1万9600円)を転売目的を隠して他人名義で購入した疑いで書類送検された人物です。
楽天に勤務したのちに、現在のメルカリの前身であるウノウに勤務し、その後は、Zynga Japanを経て、2013年に現在の会社であるフンザを設立しました。
ウノウというメルカリを開発した会社に在籍していましたが、結局はウノウはジェンガ(Zynga)に売却されてしまったために、笹森容疑者は結果的にそのままジェンガに就職したということになります。
意識が非常に高かった笹森容疑者は、2013年に株式会社「フンザ」を設立すると、その能力を最大限に生かしたチケット販売サイトの「チケットキャンプ」通称チケキャンを展開しますが、2015年3月に株式会社ミクシィに115億円で買収されているのです。
なぜ書類送検されたのか?
そもそも、なぜ笹森容疑者は書類送検されたのでしょうか?
業者はチケットキャンプで最も大口の出品者で、入手したチケットをサイトで転売し、30億円を売り上げていたそうですが、笹森容疑者は不正入手を知りながら出品を促したのだそうで、これが共犯にあたるのではと京都府警が判断したために、書類送検されたのです。
チケットの高額転売を巡って、仲介サイトが摘発されるのは今回が初めてであり、極めて稀なケースでありますが、立件され有罪判決が確定した場合、このようなチケット転売の斡旋業者や仲介業者はバンバン摘発されることとなるでしょう。
逮捕と書類送検は何が違うの?
回の事件で、笹森容疑者は逮捕されずに書類送検をされていますが、一体、書類送検と逮捕とは何が違うのでしょうか?
そもそも逮捕とは通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類に分けられ、通常逮捕以外は令状なしに逮捕を行うことができます。
現行犯逮捕は、現在進行形で犯罪を行っている者に対して行う逮捕であり、緊急逮捕とは殺人罪や強盗罪など重罪を犯した者に対し、逮捕の緊急性がある時に、逮捕令状無しに逮捕する事を言いますが、いずれも例外的な措置に該当します。
日本の司法においては、”推定無罪”が適用されていますので、どんなに凶悪な犯罪を現行犯で行っていたとしても裁判で起訴され刑が確定するまでは「容疑者」もしくは「被疑者」として扱われるのです。
そのため、警察が容疑者を逮捕するに当たっては、裁判所からの逮捕令状がなくては逮捕することが出来ないのです。
警察側は逮捕したのちに、裁判で立件(起訴)してもらうために様々な証言や証拠を突きつける取り調べなどを行いますが、これは逮捕されてから48時間以内に行う必要があります。
すなわち、48時間を過ぎれば、警察側は容疑者を拘束出来なくなりますので、そこで初めて書類送検が行われるわけです。
書類送検とは?
書類送検とは警察側が取り調べをした調書などの“書類”を”検”察側に”送”致することを言います。
容疑者を逮捕するためには、しっかりとした捜査の下、容疑者を逮捕するに値する証拠を挙げ、裁判所に逮捕令状を発行することで、初めて逮捕することが出来ますが、逮捕するのは「警察」にしか出来ない仕事です。
ですが、その容疑者を裁判所で審判にかけるかどうかの判断、つまり『起訴』するかどうかの判断が出来るのは「検察」にしか出来ません。
逮捕されても「裁判にかける必要がない」と検事が判断した場合は、不起訴処分となり釈放されますが、この起訴するか否かの判断は、警察から書類が送検されてきてから24時間以内に行わなければならないのです。
つまり、『書類送検』とは『逮捕』をせずに検察に書類を送ることで、前科というのは裁判で有罪が確定した時に初めて付きますので、書類送検だけでは前科がつくことはありません。
では、なぜ逮捕の有無が発生するのでしょうか?
前述しましたが、「逮捕」とは警察が容疑者の身柄を拘束することです。
なぜ拘束するのかと言えば、証拠隠滅や容疑者が逃亡する可能性を未然に防ぐためなのです。
そのため、逮捕せずに書類送検だけする場合は、そういった証拠隠滅や容疑者逃亡の可能性が比較的低いと判断された、罪が軽い事件が対象になることが多く、逮捕する必要があまりない場合に適応されます。
すなわち、書類送検だけされた場合には結果的に不起訴になることも多いのも現状です。
ネット上の反応
このチケットキャンプの社長の書類送検に関して、ネット上では様々な意見が飛び交っていますので、ご紹介します。
チケキャン前社長、書類送検やて(´º∀º`)ファーw
— ♡ ゛ ぴ の (@ry____pinoO) 2018年1月11日
チケットキャンプ元社長他書類送検来た!!!!
— 丸太 (@mtmt95) 2018年1月11日
チケットキャンプがなくなって困ったこと
・コノハサンが東京に来なくなった
— コロゥ (@I_am_sunkasu) 2018年1月11日
チケットキャンプ閉鎖とかざまぁwww
ほんとライブの度にイライラさせられるサイトだったけど、結局転売は無くならない訳でオークションやメルカリに出るんだろうけど。— かなす❥Team ABC (@_kana_77) 2018年1月11日
悲しい…
チケキャン滅んだのにまだ転売ヤーは滅亡しないんですね…— 九城 (@kujyo51) 2018年1月11日
チケキャンなんだかんだで真っ黒だったんだなー
— ゆみ (@akarimomori_) 2018年1月11日
チケキャンの社長、書類送検されたのか!
— のり (@norikoshisei3) 2018年1月11日
チケキャン、真っ黒というか最初から闇堕ちしていた感じ……。ステの時にやった、怒濤の違反通報は本当に無駄だったんだなあ。
— しま (@4ma4maya) 2018年1月11日
チケキャン死亡です!!!!!!!!!!!!いぇーーい!!!!!!!!!その調子で他の類似サイトもガンガン潰せ潰せ〜!!!
— みつき (@mitsuki830) 2018年1月11日
など、チケキャン閉鎖に歓喜している人がいる一方で、笹森容疑者が以前勤めていたメルカリに不正なチケットが流れることになる恐れも懸念されており、”転売”の根絶にはなっていないのでは?との指摘もされています。
いずれにしても、今回の書類送検がきっかけとなり、転売やチケット業界になんらかの動きがあることは明白でしょう。
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