2chの創始者「ひろゆき氏」は独特の価値観、発言で有名ですが、またまたひろゆき氏に関する事件で物議を醸しています。
賠償金請求に応じず10年間放置し総額30億円に
2ちゃんねるを開設した「ひろゆき」こと西村博之氏が5月13日、AbemaTVの番組「エゴサーチTV」に出演。裁判所から支払いを命じられた約30億円の損害賠償について、無視し続けたことを明かした。
番組によると、西村氏は2ちゃんねるの書き込みの削除をめぐり、多くの裁判を経験。裁判所から支払い命令を受けた賠償金は、総額30億円ほどに膨れ上がったという。しかし、最高で「サラリーマンの生涯賃金くらい」の年収があったのに、「電車男」の印税60万円ほどを差し押さえられた以外は、賠償金を支払わなかったそうだ。
この理由について、西村氏は「10年たつと時効だから(賠償金が)ゼロになる。払うよりも10年間逃げ切った方が得」「お金はあるけど、(相手が)ここにあるぞと分からない限り、とれない。不動産とかマンションとか持っていたら、とられるけど、そういうのは持っていない」などと説明した。
引用:2ch
これは2chの記事削除の要請に応じず、裁判所から1日経つごとに5万円の追加支払い命令が出るといいます。これが累積して30億円もの巨大な額になった模様です。
同番組で「払えないんだったら借金が0円でも100億円でも一緒」
「借金取りに追われて困ってる人がわからない。返さなきゃいいじゃん」とまたも独特な主張を展開しました。
しかしこれほどの賠償請求を支払わずに逃げ切るというのは法的に大丈夫なの?
払わなかった場合になにか罰則が発生しないのか?
などの疑問が上がると思います。
そこでこの事件に対して弁護士に詳しく聞いた記事があります。
弁護士に聞いた法的な知見
――通常、相手が賠償金を支払わなかったらどうなる?
判決で支払義務を負うことになった相手(債務者)が自主的に支払いをしない場合、確定判決を得た者(債権者)は「強制執行」の申立てを裁判所に行います。
債務者の財産を強制的に差し押さえ、現金化するなどして判決内容に書かれた金額の取り立て(債権回収)を実現することになるわけです。
――西村氏の場合、どうして「差し押さえ」できなかった?
裁判所の判決は、「強制的に債務者の財産から取り立てをして良い」といういわば許可書でしかないため、差し押えるべき財産を「債権者自ら」探し出す必要があります。しかし、債権者には強制的な捜査権限がなく、十分な調査ができないことがままあります。
もし差し押えるべき財産が見つからなかった場合、あるいは、そもそも財産が何もなかったような場合には、判決があったとしても、結局、取り立てはできないということになりかねません。
――西村氏は現在、パリ在住のようだが…
国内では財産は見つからなかったものの、海外には財産があることが判明した際には、海外の財産を差し押えることも考えられます。しかし、日本国内の判決の効力が当然にその海外に及ぶとは限らないため、改めて海外で裁判を起こして判決を得たり、日本の判決の効力の承認をうけなければならないという事態も考えられます。
――支払わないことについて罰則はないの?
罰則はありません。ただし、刑法上は、債務者が差し押さえを免れる目的で財産を隠した場合には、強制執行妨害目的財産損壊罪という犯罪に該当するケースもあります。
もし、強制執行妨害目的財産損害罪で有罪になれば、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金、もしくはその両方に処せられる可能性があります。このような疑いがある場合には、刑事告訴も検討する余地がありえます。
――10年たつと時効でゼロになってしまう?
判決で確定した請求権といえども10年で消滅時効にかかるため、10年が経過する前に改めて裁判を起こすなどして時効を中断する必要があります。
――これでは被害者が救われないのでは?
実際に弁護士として裁判実務に携わる中で最も問題であるのが、判決を得た後の取り立てです。長い時間と費用をかけて勝訴判決をようやくにして勝ち得たにもかかわらず、実際に取り立てができなければ、何のために裁判をしたのかわかりません。これでは司法や裁判制度、そして法治国家そのものの信頼や根幹を揺るがしかねません。
判決自体に債務者の財産調査のための強制的な捜査権限を付与する、取り立てが困難な場合には国がその立て替えを行い債務者に求償する、といった抜本的な法整備をすることが急務であると考えます。
引用:弁護士ドットコムニュース
つまり相手の財産の場所が分からなきゃ裁判しても意味ないし、そもそも取り立てるのは難しいってことですね・・・
これじゃ日本の借金って制度が根本的に覆ってしまいそうですね・・・
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