スーパーや大型の量販店などにある、優先駐車場は誰のためにあるのでしょうか?
多くの方は車椅子利用者のためと答えると思います。
今回は、そんな優先駐車場で実際に起こったトラブルと、それに関する話題をお届けします。
そこは身障者用だ、ルールを守れ
とある新聞に以下のような記事が掲載されていましたので、ご紹介します。
この記事を投稿した方の奥さんは、当時、妊娠8ヶ月だったにも関わらず、優先駐車場でとんでもない言葉を浴びせられたそうです。
優先駐車 妊婦へ理解を
妊娠中の妻がスーパーに買い物に言った時、優先駐車場に止めて店内に入ろうとしたところ、
高齢者の男性客に、
「そこは身障者用だ、社会のルールを守れ」
と怒鳴られました。
妊娠中だと伝えましたが、その男性客は妻を追い掛け、エレーベーターに乗り込んできて文句を言い始めました。
恐怖を感じた妻は110番しました。
妊娠中の女性や怪我をしている方、内部障害の方も対象とのことでした。
厚生労働省が定めたマタニティーマークを知らない人が多いとの報道もありました。
妊娠は病気ではありませんが、重いものを持ったり、長く歩いたりして負担を掛けないほうがいい人もいます。
切迫早産気味の場合もあります。
妻は妊娠8ヶ月で誰が見てもおなかは大きく、切迫早産気味なので優先駐車場に止めたのです。
もっと妊娠中の体の状態について、周知されるべきだと思います。
出典:朝日新聞
誰がどう見てもお腹が大きい妊婦さんに対して、「そこは身障者用だ、社会のルールを守れ」と言うのは、一体どういった神経をしているのでしょうか?
さらに、駐車場で言うだけならまだしも、追い掛けてエレベーターの中にまで入ってきて文句を言い始めるとは、とても同じ人間のやるようなこととは思えません。
ここで争点となるのは、妊婦さんであり、その中でも『切迫早産』という症状だと思います。
切迫早産とは?
妊娠されたことがある方や、配偶者の方に出産を経験された方がいらっしゃるのなら、『切迫早産』というワードは聞いたことがあるかもしれません。
しかし『切迫早産』に関して、まだまだ認知度が低いと思いますので、ここで解説します。
まず、『早産』という言葉ですが、これは、 正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)以前の出生をいいます。
日本では妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を『早産』と呼び、妊娠22週未満の出産は『流産』として『早産』とは区別されます。
そして『切迫早産』ですが、早産になりかかっている状態、すなわち『早産』の一歩手前の状態を『切迫早産』といいます。
子宮収縮が頻繁におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、
赤ちゃんが出てきそうな状態や破水(子宮内で胎児を包み、羊水が漏れないようにしている膜が破れて、羊水が流出している状態)をしてしまった状態のことです。
つまり、記事中にあった妻が「切迫早産気味である」という文言は、もう少しで赤ちゃんが生まれそうな状態かもしれないということを意味しています。
しかしながら、理解のない高齢男性に「そこは身障者用だ、社会のルールを守れ」と、言われたのです。
あまりに非常識で世間知らずな、いわゆる”老害”と呼ばれる人の仕業なのかと思います。
より多くの人に知ってほしい
世間では未だにマタニティマークの認知度が低いのが現状です。
マタニティーマークは、厚生労働省が2006年より発行しているマークであり、妊産婦に安全性と快適さを与えることのできるような環境づくりのために作られました。
しかし前述したように、世間ではマタニティマークはおろか、妊婦さんへの理解度があまりにも低いのです。
車椅子のマークが付いている優先駐車場は、身体障害者(知的障害者・精神障害者・発達障害者を含む、すべての障害者)のほかにも、
高齢者・妊婦・けが人、などの人たちが移動をする際に、安全性や利便性を向上することを目的として設置されています。
なぜ妊婦の方が優先駐車場に止めなければいけなのかというと、優先駐車場は隣の車との感覚を広く取ってあります。
妊娠後期に突入しお腹が大きくなった妊婦さんは、ドアを開ける時に隣の車に当たってしまいそうになるため、できるだけ優先駐車場に止めるほうがいいのです。
このような、妊婦さんとそれに伴う環境に理解がない人の心無い言葉のせいで、悲しい思いをする人々がこれ以上増えないよう、
車椅子マークの本当の意味や、『切迫早産』などの言葉をより多くの人が認識し、理解する必要があります。
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