日本の労働環境において、深刻な問題なのが、人手不足という問題です。
この人手不足を解消する案として、日本経団連がとんでもない解決案を打ち出し、話題となっています。
日系人に日本で働いてもらう
日本経済新聞に以下のような記事が掲載されていましたので、ご紹介します。
記事によりますと、日本経団連会長が人手不足解消に次のような解決策を打ち出したそうなのです。
経団連の榊原定征会長は10日午後の記者会見で、人手不足について
「今後さらに深刻になる。いまの外国人労働者の規模では足りなくなる」と認識を示した。
そのうえで「海外の労働力の活用を長期的に検討していく必要がある」と述べた。
外国人労働者の活用の一例として
「日系人に日本で働いてもらう」ことを挙げた。
榊原会長は東京電力ホールディングス(9501)の川村隆次期会長(日立製作所名誉会長)に関し
「日立が苦境に陥った際に経営改革を実行して立て直した」と評価した。
「東電には福島第1原発の廃炉や被災者への賠償など大きな課題があるが、力を発揮してもらえると期待している。
経済界としても可能な限り応援していきたい」と述べた。
出典:日本経済新聞
賃金の底上げ等をする前に、労働不足や人手不足の解消をひとまず”日系人”に頼るという、
なんともおかしな解決案なのです。
ネット上の反応
これに対し、ネット上では
●低賃金で死ぬまでこき使われるような国に、
わざわざ高い金払って働きに来る人がいまどきいると考えるほうがおかしい
●自分の都合を押し付けることが当たり前だと考える、ブラック企業の親玉が経団連ということか。
●ロボットの導入でも社会のコンパクト化でもなく、日系人を入れる。
なんて凄まじい発想なんだ。考えた事も無かった。
など、経団連のありえない見解に批判が殺到しました。
労働力不足
では、なぜ日本ではこれほどまでに労働力が不足しているというのでしょうか?
経営側としては、「忙しくて人手が足りない」と嘆きます。
しかし、働いている現場では、「オーバーワークやらされてるんだ時給上げろ」と、
労働環境に見合った賃金の底上げを要求します。
ですが、経営側としては、「新規で人雇いたいけど誰もこない」と賃上げを考えずに、
安いコストで人手を確保したいと願っています。
それでも現場では、「忙しいって事は仕事も金もあるんだ時給上げろ」と矛盾点を指摘します。
それに反論するように経営側は「次々人が辞めて更に人手不足。みんな働く気力と責任感ないよ」と、
何も解決策を打ち出そうとしません。
この無限ループにより、人手は不足する一方で、賃上げは行われずに、
現場がただただ忙しくなっていくのです。
その解決策として、経団連は、”日経人”の雇用を推進しようとしているのです。
ブラックの総本山
一度、生まれ故郷である日本から追放され、異国の地で繁栄を遂げてきた”日系人”の方に対し、
「自国のピンチだから戻ってきてくれ」と懇願するのは、あまりにも虫が良すぎます。
日系人に頼る前に、まずは、給料の底上げや、労働環境の見直し、システムのコンパクト化など、
やるべきことはたくさんあるように思えます。
日本のブラック企業の総本山は、もしかすると日本経団連なのかもしれません。
あなたにおすすめの記事
経団連会長「賃上げを行なっているのに個人の消費が伸びない・・・」⇒この発言に対し、ネット上では批判の嵐が・・・!!
コメント