視覚障害者の方が、白杖をついて歩行しているのをご存知でしょうか?
今回はそんな白杖で地面を叩き、音を出して歩いているという行為の意味について、ご紹介します。
白杖で音を出す理由
とある新聞の投書欄に以下のような投稿が掲載されていましたので、ご紹介します。
投稿によると、目の不自由な方が白杖で音を立てながら歩いているのには、知られざる理由があったのです。
白杖で音を出す理由 知って
「うるさいよ!」。
8月、埼玉県内のJR駅コンコースで年配の男性が、
白杖で点字ブロックをたたきながら歩く40代くらいの女性を怒鳴りつけた。
女性は体を震わせながら「すみません」と謝り、
杖で点字ブロックをなでるようにして歩き出した。
障害者のリハビリ施設に勤める妻によれば
「視覚に障害を持つ人は周りに自分の存在を知ってもらうため、
白杖で点字ブロックをたたいて音を出すようにしている」
とのこと。
スマホの画面に夢中の人も気づく可能性が高くなるが、
杖でたたいて歩く理由を知っている人はどれくらいいるだろう。
白杖、点字ブロックの意味や杖で音を出す理由などを説明したポスターを貼ったり、
パンフレットを配ったりしてはどうか。
CMや新聞、雑誌で紹介してもらえば、周知の輪はなお広がる。
費用がかかるので、政府・行政にも力添えを願いたい。
一日も早く、白杖を持つ人が気兼ねなく外出できる国になるよう切望する。
出典:朝日新聞
白杖で点字ブロックを叩きながら歩くという行為の意味を知らないからこそ、怒鳴ってしまったのだと思います。
無知というのは非常に恐ろしいもので、勘違いからこのようなトラブルが発生します。
これは、日本国民全員がしっかりと知っておく必要がある問題であります。
白杖を持つ理由
日本盲人会連合のホームページによりますと、
白杖を携帯する目的は以下の3点があげられるそうです。
1.安全性の確保
2.情報の入手
3.視覚障害者としてのシンボル
「白杖を使って音を出すことで、
周りに自分の存在を知ってもらうという使い方は実際にされているのでしょうか?」
という問いに対し、
自身も全盲で、日本盲人会連合組織部長の藤井貢さんは、
「訓練で学ぶ主要な使い方ではありませんが、
人混みの中など周りに気づかれにくい状況では、多くの人がそのように使っています」
と語っています。
音を出すという行為には、自分の存在を一般の方に知らせるためだけではなく、
その反響音で周囲の状況を確認するという目的もあるそうです。
また、最近では”歩きスマホ”などで前方を十分に確認せずに歩いている人が急増しているため、
あえて白杖を使って音を出すというケースも増えていると話しています。
「音をたてるな!と言われると、歩いている視覚障害者はとても恐怖を感じます。
必要があってやっていることなので、理解していただきたいと思います」
と藤井さんは切実に訴えました。
ネット上の反応
これに対し、ネット上では
●呆れてしまう話だけど、そういう想像力に欠けた大人もゴマンといるんでしょうね。
無理解以前に、障害者の存在に無関心なのかもしれません…
●まず、目の見えない状態でいきなり怒鳴られるのがどんなに恐怖か・・・。
●皆、自分の事は棚に上げて他人の事は五月蝿いとか邪魔にする。
手を貸してやるそんな優しい気持ちは、これっぽっちない。
情けなくなります。障害者の白杖はその方の目ですよ。
盲導犬が貰えない方の目ですよ!同じ人間として情けないです。
●私の父も視覚障害者です。
光も届かない場所に毎日居る事の辛さは、きっと想像出来ないと思います。
もっと健常者の方の理解が広がる事を願っています。
など、健常者が理解を示さないといけないという意見が多く寄せられました。
未だに白杖を叩いて音を出す意味が、全国的に浸透していないのも事実です。
目が見える状態でも怖いのに、目の自由を奪われた状態で、いきなり怒鳴られたらどのように感じるでしょうか?
想像もできない恐怖であることは間違いありません。
少しでも多くの方にこの事実を知っていただき、
全ての方が障害のある方を労わり、思いやるような世の中になることを切に願っています。
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